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2014年12月2日火曜日

アテモヤ

先日、館山市内の直売所が連携した組織である「アグリッシュたてやま」
視察研修会に参加させていただきました。

県内他地域の直売所2軒と県内種苗会社の農場の視察という内容でした。

直売所のうち1軒は東金市にある「みのりの郷東金」「東金マルシェ」さん。
今年の春にオープンしたばかりの施設なので、とてもきれいでした。
品揃えも豊富で、外では植木や盆栽も販売されています。

何より驚いたのが、これ。




なんと、東金市で「アテモヤ」が栽培されているのですね。

実物は売り切れでお目にかかることはできませんでしたが、
東金市で栽培している農家さんがいるとは知りませんでした。

あ、アテモヤというのは「森のアイスクリーム」とも呼ばれる南国フルーツで、
「チェリモヤ」「釈迦頭」を掛け合わせて生み出されました。


「チェリモヤ」は世界三大美果の一つに挙げられる果物。
ねっとりしていて甘い、というのが味の特徴のようですが、
人によってバナナ風、パパイヤ風、パイナップル風等、味の感じ方は様々だそうで、
これは多分個体差もあるだろうし熟し具合も関係すると思われます。
英語名は「カスタードアップル」というところから味の想像ができそうです。

アテモヤとチェリモヤは別の果物なのですが、
ネットで調べると二つの説明がごっちゃになっている場合が多いですね。
元々はチェリモヤが森のアイスクリームと呼ばれていたようです。
が、アテモヤの方が日本では栽培しているところが多いようで、
わかりやすくするためにアテモヤを森のアイスクリームと称したのかもしれません。

余談ですが、世界三大美果には諸説あり、
「ドリアン、マンゴスチン、チェリモヤ」
「マンゴー、マンゴスチン、チェリモヤ」
「パイナップル、マンゴスチン、チェリモヤ」などと言われるそうですが、
どの説でもマンゴスチンとチェリモヤは入っているので、
この二つは間違いなく美味しい果物であることは間違いないようです。


「釈迦頭」はバンレイシとも呼ばれ、タイ語では「ノーイナー」です。
お釈迦様の頭みたいな見た目なのでこう呼ばれるとのことです。

タイのノーイナーは食べたことがあるのですが、実に面白い果物で、
皮と実の間になんと砂糖がまぶされている感じなのです!
もうホントほぼ砂糖で、食べると砂糖を噛んだジャリっとした食感がします。
とてもインパクトのある果物で食べたときは本当に驚きました。
英語名は「シュガーアップル」ですので、もうそのままですね。

チェリモヤもバンレイシ科バンレイシ属なので釈迦等と親戚です。
その二つを掛け合わせたのがアテモヤとなるわけです。

つまり「カスタード」と「シュガー」を掛け合わせたということで、
その果実はなかなかの甘さを持っていると想像できます。
台湾ではアテモヤを「パイナップル釈迦頭」と呼ぶそうなので、
そこからも味は何となく想像できそうですね。


と、長々と果物の説明をしてしまいましたが、なぜこれに注目かというと、
千葉県農林総合研究センターの暖地園芸研究所という施設が館山市にあり、
その研究所でアテモヤ栽培の研究も行われているのです。

8月に暖地園芸研究所の試験研究成果発表会に参加した際その事実を知り、
タイでノーイナーに衝撃を受けていた私は、その親戚となるアテモヤにも
非常に興味をひかれたのです。

館山市ではパッションフルーツマンゴードラゴンフルーツといった
南国フルーツを栽培している生産者さんはいらっしゃるのですが、
アテモヤはあまり知名度のない果物だというのがネックとなり、
館山市だけでなく千葉県内でも栽培している生産者さんは
ほとんどいないとのことでした。
(全国で見ると沖縄や鹿児島では栽培している生産者さんがいるようです。)


そんなアテモヤ、日本では冬が収穫のシーズンになります。
館山市の暖地園芸研究所内の施設で栽培されているアテモヤは、
早ければ11月下旬頃から収穫できる、と伺いました。

場合によっては市内でも購入することができるとのことなので、
何とか入手して食してみたいと思っております。

暖地園芸研究所のアテモヤ(8月時点)

2014年11月20日木曜日

安房大地と海の恵み発見伝

昨日は館山市内のホテルを会場に「安房大地と海の恵み発見伝」と題した、
安房地域の生産物や加工品の商談会・販売会があり、見学してきました。

オリジナルジャムの種類が豊富な「館山フルーツ工房」さん

ジャムの他にもドレッシングやケチャップなども。


館山でハチミツと言えばテレビでも取り上げられた「ひふみ養蜂園」さん

今の一押しは新商品の「蜂蜜夏みかんジュース」


王様トマトでおなじみの「たてやまかおり菜園」さん

様々な種類のトマトを1年中栽培。


といった、館山でお世話になっている方々のブースもあり、
それ以外にも南房総各地域から全部で50程のブースが出ておりました。

先日の研修でもお世話になった鴨川市「みんなみの里」さん。
「パッションフルーツのレアチーズケーキ」を試食させていただきましたが、
パッションフルーツの香りが良く、とても美味しかったです。


南国ムード漂うドラゴンフルーツは、
「館山ファミリーパーク」さん。

先日、6次産業化の研修を受けてきたばかりなので、
そういった視点を持って見学することができました。

同じ食材を使っての加工品でも、各社それぞれにアイデアがあるし、
同じ種類の加工品であっても、工夫されているポイントはそれぞれ違うし。

スモールビジネスだけでなく、一定程度の規模を持ったビジネスも
地域にとって必要な役割があると思います。
こういった機会に出展者同士のコラボレーションなんかが生まれれば、
雇用創出につながる規模のビジネスも起こるのかもしれないな、と感じました。

自然解凍で美味しくいただけるさんが焼き。
南房総市「青倉商店」さん。
魚の種類で風味や香ばしさが全然違う。
野菜たっぷりで柔らかく、自然解凍OKだからお弁当にも◎。


2014年11月19日水曜日

6次化起業支援研修~集合研修1回目~

先日、「6次化起業支援研修」の1回目集合研修に参加しました。

この研修は、認定NPO法人ふるさと回帰支援センターが運営する
ふるさと起業塾が行っている事業で、
6次産業化関連で起業する際に必要な知識を3つの講座に分けて、
合計50時間も勉強させていただける、ありがたい研修です。

全国を4つのブロックに分けて行われており、
私は関東ブロックの研修に参加しました。

会場は鴨川市にある「鴨川自然王国」さん。
千葉県で一番高い山の上にある、色々な活動を行っている多目的農園です。
その存在はちょっと前から知っていて、いつかは行こうと思っていたので、
このような形で訪問できてありがたい限りです。

参加者は私を含めて7名で、様々なバックボーンを持った方々でした。
千葉県内からの参加は私だけで、東京や神奈川、山梨からのご参加。
みなさん良い方ばかりで、お陰様で楽しく研修に参加できました。

内容を細かく書いていくとかなり長くなってしまうので、
感想や印象だけをずらずらと書きたいと思います。

感想としては、

6次産業化でスモールビジネスを起こすのであれば、
農業を生業のベースにして、そこから派生する何かを、
楽しみながら取り組むのが良さそうだなぁ、と。

けどそれをやるには「夫婦」というのがキーワードかなぁ、と。

そして何より、スモールビジネスはどんな業態であれ人柄が大切で、
周りから愛されたり、周りが助けたくなったりするような、
まっすぐで素直な感性を持った人が向いていそうだなぁ、と。

で、そうなると自分はそれに当てはまらないなぁ、と。

まぁ、そんな感想を持った次第であります。

何はともあれ、研修内容自体は実に学びの多いものばかりで、
充実した3日間を過ごせました。
1月に2回目の集合研修があるので、そこでも多くを学ぶ所存です。


同じ南房総ですが、山の上だからかすごく寒かったのも印象的でしたし、
星空が、久しぶりに「おぉ!」と思うほどきれいだったのも印象的でしたし、
キャンプファイヤー並の大きな焚火も印象的でしたし。

内容の濃い3日間を過ごしたのにも関わらず、
ほとんど写真を撮らずに過ごしてしまいました。
2枚だけ撮った写真を載せておきます。

2日目の夕飯。
鴨川自然王国で採れた野菜や、お店の方が釣ってきた魚など。

先輩起業家を訪問ということで、
富津市金谷にある「Pizza Gonzo」の手作りピザ窯。
(※リンク先はFacebookページです)

2014年10月6日月曜日

地域おこし協力隊の初任者研修

9月半ばに、総務省が市町村職員中央研修所と共催する研修会に参加してきました。

その名も、
『地域おこし協力隊員及び集落支援員の初任者を対象とした研修会』

少し仰々しい研修名ですが、これは強制ではなく任意参加です。
任意参加ですが、定員以上の申込があって参加できなかった人もいるようです。

今回の参加者はなんと約150名。
前回までは約70名くらいでこの研修を行っていたそうですが、
地域おこし協力隊員の数が増えてきたこともあり、
今回から定員を増やすチャレンジをしてみたそうです。

場所は千葉県千葉市にある市町村職員中央研修所
その名の通り市町村職員の研修のための施設で、立派な宿泊棟も備えておりました。

そこに2泊3日缶詰めになっての研修でした。

全体的な感想を最初に書いてしまえば、
「それなりに勉強になって、それなりに楽しかったけど、
 内容自体はもっと改善した方が効果が高まるだろうなぁ」
と感じました。

宮城県出身や宮城県にゆかりのある方や、JOCV経験者といった、
自分と共通のバックボーンを持った方々と出会うことができましたし、
色々な人の意見や話を聞くのは、やっぱり勉強になりました。

私としては、そういった隊員同士の横の繋がりを多く生み出すプログラムを取り入れた方が、
初任者研修としてはもっと意義があるのではないか、と感じました。

移住した地域の状況も、各個人の考えも、受け入れた行政の思いも、
それこそ千差万別ですし、何よりそもそもの「地域おこし協力隊」というものに対しての、
認識自体が人によって大きく違っているのです。

そんな中での参加者の共通点は「新しい地域に移り住んで新しいことを始めたばかり」
ということだと思います。

新しい地域に移り住んで新しいことを始めたばかりの人たちの多くに共通するのは、
「戸惑いや心細さや不安」といったものです。

150人も集まるのですから、置かれている状況や考えが似ている人もいるでしょう。
状況や考えが似ていれば、感じている戸惑いや不安なんかも共通するはずです。
そういった人たちをマッチングして、新しい環境に入ったストレスを発散するとともに、
今後のことについて一緒に考え合うことができれば、展望も開けるかもしれません。

多くの隊員が「地域おこしの素人」なわけですから、地域おこしの概論的なことや、
汎用な技術論や他所の事例なんかを聞くことも必要ないとは言いませんが、
それ以上に横の繋がりをもっと多く生み出すことの方が大事だったような気がします。

だってせっかく同じ場所に150人も集まっているんですよ?
学術的な知識とかは、ぶっちゃけ一人だって勉強できるわけですし。

「大人なんだから、それぞれ空いた時間で繋がりを作る努力すれば良いじゃん」
という考えもあるでしょうが、もう少しきっかけを与える工夫があるだけで、
繋がりが生まれる可能性がぐんと増えると思うのです。

とにかく繋がりゃ良い、というわけではありませんが、
繋がりは可能性ですから、可能性は多い方が良いと思うのですよね。


ま、何にせよ研修自体は非常にありがたいものでした。
様々な考えを持つ人と、色々な話ができて勉強になりました。

研修で私と話してくださった方々、ありがとうございました。

2014年8月11日月曜日

新規就農者を増やす

「就農者を増やす」というのは農業が盛んな地方では共通する課題だと思います。

近年は食への関心の高まりもあって、家庭菜園や市民農園で野菜を育てる方や、
実際に田舎に移り住んで農業を始める方なんかも増えてきている、
という話を色々なところで目にし、耳にもします。

実際に田舎に移り住んで農業を始める、といっても考え方は人それぞれで、
「自分や家族が安心して食べられるものを自分たちの手で作りたい」
という思いから農業を始める方もいらっしゃれば、
「農業があぶないと言われている今だからこそビジネスチャンスがある」
という野心から農業を始める方もいらっしゃるでしょうし、
「危機的状況にあるといわれる日本の農業を自分が救うんだ!」
という理想を持って農業を始める方もいらっしゃるでしょう。

どのような形でも新しく農業を始めるには、色々な障壁があるようです。
農地の入手方法、農機具等の設備投資、周辺農家さんとの付き合い、
販路の開拓、そして農業技術をどのようにして身につけるのか、等々。

そういった障壁を少しでも越えやすくするための仕組みが、
色々なところで取り組まれています。

私が利用している「地域おこし協力隊」の制度もその一つでしょうし、
農水省がやっている「新・田舎で働き隊!」もそうだと思います。

民間では人材派遣で有名なパソナさんがやっている「パソナ農園隊」
という取り組みなんかも面白い制度だと思います。
ワタミさんがやっているワタミファームのフランチャイズ制度なんかも、
うまくいっているかはわかりませんが、新しい仕組みだと思います。

さらに農業法人に従業員として就職するというのも一つの方法です。
農業生産法人である有限会社トップリバーさんの取り組みは、
その代表的な例であると思います。


しかし一方で「農家の数を増やす必要はない」という論もあるようです。

むしろ農家の数はもっと減らして、1農家あたりの耕作面積を広げ、
低コストの効率的な農業を行う必要がある、と。
そもそも日本は国土が狭いということもあるでしょうが、諸外国に比べて
1農家あたりの耕作面積がかなりせまく、それでは効率的な農業は難しい、と。

さらに言えば、これからは人口減少で食物の消費量も減っていくのだから、
農家を増やして生産量を増やす必要はない、という論です。

これもこれで間違ってないような気もします。

ま、この二つの考え方は相反する考えというわけではなく、
相互補完的な考え方でもあると思いますが。


色々な考え方があって、色々な取り組みがあって。
それぞれが、それぞれの想いや使命感を持って行動していて。

人の意見や考えを聞いたり、本や資料を読んだり、
セミナーや研修に参加したりして強く感じるのは、
たくさんの人が日本の農業を良い方向へ向かわせたいと思い、
行動を起こしているのだなぁ、ということです。

そして自分にはまだまだそういった情熱や希望が足りていないと痛感します。
情熱や希望や志を持つこと、それが私にとっての一番の課題です。

2014年7月26日土曜日

行政職員と民間人

後学のために色々と本を読んでみているのですが、
『社会を変える仕事をしよう』(日本実業出版社、佐野章二著)
という本を読んで、特に面白いと感じた部分があったので、
その部分について自分が感じたことを含めて書いてみます。

佐野章二さんは(有)ビッグイシュー日本の代表の方で、
この本もビッグイシュー日本のことを中心に、社会的企業についてや、
社会問題解決に向けた取り組みについてなどが書かれていて、
非常に興味深い内容となっています。

その本の中にこんな話が載っていました。


==以下は内容を要約したものです==

阪神淡路大震災の時に、500人いる避難所に300枚の毛布が届いた。
その避難所の責任者である行政の職員は不公平になるといけない、と
その毛布を全部倉庫の中に保管した。

これに対してボランティアの人が責任者をしていた避難所では、
届いた毛布を真ん中に山積みにして、事情を説明した上で、
譲り合って毛布を取るようにお願いした。
するとお年寄りや子ども、妊婦さんや病人など弱い立場の人から順に、
毛布がいきわたった。

==要約ここまで==


この話は結構有名な話だそうで、知ってる方もいらっしゃるかもしれません。

これを読んで「ホント行政は融通がきかなくてダメだなぁ」なんて、
考えちゃう人もいるかもしれませんが、著者の佐野さんはこの話で
行政を批判したいわけではないことは確かです。

この内容の後にこのように書かれています。


==以下引用(P154の1行目~)==

 ここには固い行政マンと柔軟なボランティアの違いという以上に、行政とボランティアの仕事の原理や方法の違いが現われている。
 行政は公平、平等を原理とするので、全体の状況が見えるまでは動けない。すぐ動くと不公平になるかもしれないからだ。これに対し、ボランティアは即時・即応、臨機応変を旨としてすぐに動ける反面、偏りを生む可能性がある。手法的には、法律に従う行政は「一律、画一、一元性、法律遵守、前例主義」になる。それに対して、ボランティアは「多様、個別、多元性、先駆的、実験的」という動き方ができるという特徴をもつ。

==引用ここまで==


どちらが良い悪いではなくて、行政と民間にはそれぞれに特徴があり、
その特徴を活かせるような役割分担をして社会問題に対応していくことが、
この複雑化・多様化した世の中では必要であるってことですよね。


私は今、地域おこし協力隊として民間人の立場で市から委嘱を受けています。

行政職員ではないのですが、現在は役所の中に机を置かせていただいてますし、
役所のお仕事を手伝わせていただいてもいます。

そんな立ち位置にいるわけですから、行政と民間それぞれの特徴の良い部分を、
うまく融合させて活動に繋げていくのが理想的なのだと思います。
しかし場合によってはその逆に、それぞれの特徴の良い部分を潰し合ってしまい、
実のある動きをとれなくなる危険もある、とも感じています。

ご縁があって館山に移住し、活動させていただいているわけですから、
自分の立場やスタンスをしっかりと見極めて活動していけたらと思っています。

2014年7月16日水曜日

食のまちづくりに関しての勉強(4)

「勉強」というとやっぱり言い過ぎのような気がしますが、基本的な知識が足りないので、
本とかWebとかで色々と読み漁っております。

頭でっかち傾向のある私は、考えるばかりで答えが出ずダメダメなのですが、
その考えをまとめるため、そしてその文章を人の目にさらすことで意識を強め、
何がしかの答えに近づけるようにブログに書いちゃおうと思います。


ある本の小見出しに『「農家を守る=農業を守る」ではない!』と書かれていて、
「なるほど、確かに」と思いました。

本の内容はさておき、「農家を守る」と「農業を守る」はかぶる部分はあれど、
相反する部分もあることは確かなような気がします。

特に現在の日本の農家さんは、多くが高齢者となっています。
父親や祖父の代からその土地を耕し、これまでのやり方で数十年も農業を行ってきました。
なので今起ころうとしている大きな変化になかなか対応しきれない人が多いのも事実です。

しかし日本のこれからの農業を考えると、これまでのやり方を変えねばならず、
それは場合によってはこれまでずっと農業をしてきたベテラン高齢農家さんを、
ある意味排除するような形になってしまうかもしれません。

耕作放棄地が増えてきているのは、農業をやる人が減ってきているから。
農業をやる人が減ってきているのは、農業はしんどくて儲からないから。
という論理が成り立つとすれば、「では農業をしんどくなくて儲かるようにしよう」
という風に考えるのは当たり前のような気もします。

しかし農業には、「しんどくて儲からなくてもやる意味」があることも確かです。
日本の文化を守るためであったり、自然環境や景観をまもるためであったり。

農業を産業として自由競争で儲かることができる仕組みにしていこう、という考えと、
農業を公共・福祉事業と考えてみんなで支えていきましょう、という考えと、
二者択一ではなく、バランスを取らなくてはならないことはわかるのですが、
私はやはり、少なくとも優先順位は必要な気がするのです。

色々な意味で国にゆとりがあれば「両方同時に進めていきましょう」で
両方ともうまくいく可能性も高いとは思うのですが、
現在の日本は、色々な意味でゆとりがない国だと思うのです。

Aを作るのに100円かかります、Bを作るのにも100円かかります。
両方必要であることはみんなわかっています。
といった状況で、200円持っているのなら両方の材料買って両方作れば良いけど、
100円しか持っていない場合はどうでしょう?

AとBの材料をバランスよく50円ずつ買いました。
結果AもBも作れませんでした、ってのはいかがなものかと思うのです。

これは別にお金だけのことを言いたいわけではなく、リソース全体のことです。

お金も人もエネルギーも、無限にあるならごり押しでも良いのでしょう。
しかしそれらが限られていて、しかもあまり多くないって時は、
何か作戦を考えなくてはならないと思うのです。

で、その作戦で成功していると思われるのは、一極集中・一点突破ではないかと思います。
少ないリソースでも、何かに集中して注ぐことで他より優れることができるのかな、と。

その例としてオランダが面白い気がします。たまたまWebでみつけました。

オランダの農地面積は日本の半分以下なのに、農業輸出がアメリカに次ぐ世界2位だそうです。
「え?面積小さいのにどうやってそんなことができるの?」と思いましたら、輸出額が多いのは
観賞用の花卉やタバコ、チーズで、それらの原材料は輸入しているとのこと。
つまり加工して付加価値つけて売る、ってビジネスモデルなのですね。

さらにオランダは、自分の国で栽培している野菜もそれなりに頑張っているのですが、
それも土地が狭いもんだから作る品目をかなり限って栽培しているそうです。

ものすごい割り切り方だなぁ、と思いました。
国としてこれだけ割り切ってやっていくのは文化だろうなぁ、とも思います。

日本とは文化も状況も何もかも違うわけですし、別にオランダのやり方が良いから、
そのやり方に習うべきだ、と言いたいわけでもないです。

というよりも、上に述べてきたことは「資本主義の中で国際競争に挑むのであれば」
という前提での話であり、別な選択肢として「競争をやめる」という方法もあると思います。
私的には、それができるのが一番だと考えていたりもします。
(けどそれは土台無理な話なので、いったん置いておきまして。)

ちょっと話を広げすぎましたので、突然ですが無理やりまとめます。

あれもこれもそれも、全員の都合の良いように色々とことをバランス良くやれるに
越したことはないのはわかっていますが、それはゆとりがある場合のみ。
つまりこれまでの日本だったらそれも良かったのだと思います。

けどそのゆとりがなくなった今、そのやり方で競争に勝つことは無理でしょう。
そしてその競争をしないというのも無理でしょうし、
「競争に負けても良いや」と考えるのも無理でしょう。

で、勝たなきゃいけないならやっぱり取捨選択して優先順位つけて、
限りあるリソースを一極集中して戦う方法しかないんじゃないかな、と。

けどその取捨選択したり優先順位つけたりするのが、色々な文化・慣例・しがらみなんかで
なかなかできない状況にあるんだろうなぁ、と思うわけです。

国という大きな枠組みでなくても、市町村単位でも、場合によっては家族とか個人単位でも、
同じことが言えるのかもしれませんね。

うーん、文章の出だしと最後がちょっとズレちゃった気もしますが、ご容赦下さい。

2014年6月20日金曜日

食のまちづくりに関しての勉強(3)

地産地消について

食のまちづくり応援隊として期待されている活動に「地産地消の推進活動」があります。
(食のまちづくり応援隊が募集された時の募集要領)

そして館山に来てから、地産地消と同時によく聞く言葉として「地域内流通」があります。

これらについては館山に来てからずっと考え続けているのですが、
一つ思い至ったことがあるので、備忘録的に書いておこうと思います。


私はこの二つの言葉を、ほぼ同義で使うことがちょいちょいあります。
地産地消を進めるということは、地域内流通が活発になるということだし、
地域内での流通が当たり前になるということは、地産地消になってるということだし。
ほぼ同義で使っても差し支えない場合がちょいちょいあるのです。

ですが、以前の日記「食のまちづくりに関しての勉強(1)」にも書きました、
農を産業としてみるか否かということで考えた時、違和感が生まれました。

(今回は水産業をいったんおいておきまして、農業で考えます。)

地産地消の一つの役割として「地域文化の伝承」や「郷土愛を育む」という役割があります。

昔からその土地で採れる農産物を、その土地の料理として食する。
それがその土地の食文化となり、小さな頃から食べ続けることによって、
ふるさとを愛し懐かしむ心も育てられる、というわけですね。

私は個人的に、地産地消の機能としてこれが一番大切だと思っています。
(一般的にはこの機能は副次的な扱いな気がしますが、、)

で、地域内流通ですが、「流通」という言葉にどうしても商売のにおいを感じます。

商売は利益を出してなんぼ、ですからどうすれば売れるかを考える必要があります。
一般的な商売では、「お客様が欲しいものを売る」というのが当たり前です。
「俺様がこれを作ったのだから、愚民どもよこれを買いなさい」という、
強気な商売で成り立っている場合もありますが、ほとんどの場合はそれではダメです。
一般的によく言われる、消費者のニーズを探る、ってやつが必要です。

となると地域内で流通させるには、地域内のニーズに合ったものを流通させる必要がある。
だから農家さんは、地域の人が食べたいと思う農産物を作ってくださいよ、となる。
「じゃ、今まで代々ずーっとAを作ってきたけども、そういうことならBに替えよう」
すると今までAには見向きもしなかった地域の人たちが、こぞってBを買うようになりました。
地域内流通もできて、この農家さんも儲かって、地産地消でめでたしめでたし。

と考えた時に、「ん?ちょっと待てよ」と。

確かにそれも地産地消の一つの形なのでしょうけど、
私が思っている地産地消とはなんだか違うのです。

「その土地で消費させるために、ニーズに合わせてその土地で作る」という風に、
消費が先に来ているので「地消地産」っていう気がするんですよね。


館山市が目指す「地産地消の推進活動」ってのは、私が思う地産地消なのか、
はたまた「地消地産」なのか。

もちろん二者択一ってことではないのでしょうが、私には結構難しい課題です。

2014年6月12日木曜日

食のまちづくりに関しての勉強(2)

先日参加した連続講座「地域力創造と地域おこしのヒント」で、
「2040年には日本の半分位の市町村が消滅する」
というようなワードを耳にしました。

不勉強でなんのことやらさっぱりわからなかったのですが、話を聞いていると
どうやらどこかの団体が何らかの研究の結果発表した内容のようで、
ちょっと調べてみると結構面白かったので、思ったところを書いてみます。

「食のまちづくり」ということからは若干ずれるかもしれませんが、
「地域おこし」ということには関連しているので勉強の意味も込めまして。


日本創成会議が発表した「ストップ少子化・地方元気戦略」によると、
地方の過疎化と東京の人口一極集中が続いていて、これがこのまま続くと、
「2040年には20~39歳の女性が50%以上減少する市町村は896にのぼる」
とのことです。

つまりこのまま何も手を打たなければ26年後には日本の約半数の市町村で、
若い女性が今の半分になっちゃうよ、ってことだそうです。

そうしてこういった市町村を「消滅可能性市町村」というインパクト大な
ネーミングで定義づけしています。
この定義で行くと館山市も消滅可能性市町村です。

このネーミングセンスからもわかるように、この発表内容は
結構過激な内容となっています。
ですが、その分シンプルでわかりやすい内容だと感じました。


この戦略によると、地方の人口減少や高齢化率の上昇、過疎化の原因は、
「若者の都会への流出」である、と言っているわけです。
そしてそれは、今後さらに進んでいくだろう、と言っています。

なるほど確かに言われてみれば正しい気がします。

もし全国どこでも合計特殊出生率が同じだったとしたら、
子供を産むことが可能な年齢層の女性の割合が多い地区と少ない地区では、
その後の人口の増減に大きな差が生じるので、出生率云々の前に
子供を産める年齢の女性の数が重要になってくることは間違いありませんよね。

さらにこれは想像ですが、やっぱり出会いを求める男女であれば、
自分が恋愛対象とする年齢層の人間がいない地区よりもいる地区に行きたい、
と思うのは当然なことで、若者の都会への流出はさらに進む気もします。

もちろんこの考えとは別に、都会への若者流出が将来的には収束するだろう、
という見方もあるようです。国立社会保障・人口問題研究所はそのような考えで、
「日本の地域別将来推計人口」を発表しているそうです。

ま、この推計人口で計算しても、結構な数の市町村が「消滅可能性市町村」
ということになるのだそうですが。


仮定や前提を少し変えるだけで、将来の数値的な予測は大きく変わるのでしょうが、
私自身は楽観的な考え方ではなく、むしろ悲観的見方をしちゃっています。

日本創成会議が発表した内容はかなり過激ではありますが、
「まだ望みはある!楽観も悲観もせず、現実を見て速やかに手を打ちましょう!」
と唱えているのだと思います。

私自身は日本創成会議が提案する解決策ですら、実現可能性が低く
よって「もう駄目なんじゃないか、、、」と悲観論に走ってしまいがちですが、
悲観論は益にならないという言葉には「確かにそうだ」と納得したので、
悲観論であきらめるのではなく、考え続ける努力をしてみようと思います。

2014年6月6日金曜日

食のまちづくりに関しての勉強(1)

まだ活動用車両がリース会社から届いていないので、
なかなか地域を見て回ることができていない状況なのですが、
だからこそ今は、色々な知識を吸収する時期と考え、
様々な資料に目を通すように心がけています。

自分の不勉強をさらすようでお恥ずかしいかぎりですし、
途中経過ではありますが、資料を読んで勉強したことを
まとめる意味も込めて、ブログに書いてみたいと思います。

間違い等ありましたら、ご指摘いただければ幸いです。


農林水産業・地域の活力創造プラン」というものが、
平成25年12月に出されました。

これは現在の農林水産業を取り巻く現状があまりにも厳しい
(基幹的農業従事者の平均年齢が66歳であるとか、耕作放棄地が
滋賀県の面積と同じくらいにまで増加しているとか)ので、
政府一体となって考えよう、と関係府省が連携して本部を設け、
検討した結果とりまとめられたプランだそうです。

このプランを簡潔にまとめることなど、私の能力では不可能なので、
興味のある方は各自で目を通していただくとして、
私がざっと目を通した中で思うところをピックアップします。

(↓プラン概要はこんな感じです。)















このプランの中で「おおっ!」と思ったのは、
「農業・農村全体の所得を10年で倍増させる」という部分。
これは凄いですよね。10年で所得倍増ですよ、倍増。

やっぱり「農業はしんどいのに儲からない」ってイメージがあって、
それではなり手がいないから、まずは「農業だってちゃんと儲かるよ」
と世の中に示していくことが重要、ってことだと思います。

この所得倍増に向けて、色々なことを政府は考えているようです。

その中でも日本の農業の中心は米なので、
稲作について大きな変革をもたらすであろう政策が打ち出されています。

稲作というのは、スケールメリットが大きいそうなのです。
小さな田んぼでお米を作って利益を出すのは非常に難しく、
一定以上の大きさの田んぼで稲作しないと利益はでない。

だから政府は「バリバリ稲作やっていくぞ」という人(法人含む)
のところに農地を集めて、スケールメリットを最大にいかそう!
そしてさらに色々な方法で生産コストも4割減らしちゃおう!
ってなことを言っています。

さらにさらに、主食用の米はもう余っちゃってる状況だから、
飼料用とか米粉用の米、もしくは麦とか大豆を作って、
田んぼをフル活用しちゃおうよ!ってなことも言ってます。

なるほどなるほど。

「儲からないし年齢的にもしんどくなってきてもう作れないなぁ」
という農家さんの田んぼを、「儲かるならバリバリやりますよ」
という人のところに集約して、さらに農地を有効活用して儲けを出す。
実に合理的な制度ですね。

でもこの考え方って、もっと前から言われていたことだと思うのです。
それがなかなか実現できなかった、というのが実際ではないでしょうか。
だけどもうギリギリ、そろそろ切り替えていかないと手遅れになるよ、
ということで政府も少し大胆に打ち出したのだと思います。

このことを考えるとき、農業に対して2つの視点があり、
そのどちらの視点で見るかをしっかり認識しないとダメなようです。

農業を、

 ・儲けを出す「産業」として見るか
 ・天然のダム、生物多様性、景観等々大切な機能を維持するための、「公共事業」として見るか

という視点です。

政府はそれぞれに対応する政策を「産業政策」と「地域政策」
とわけ、それを車の両輪として取り組んでいくとプランに書いていますが、
私の感想としては「農業を産業として見る視点を強めていこうとしている」
ように見えます。

「儲からないと誰もやらなくなるから、儲かるようにしていきましょう」と。

けど、こう考える人もいます。
「利益ばかりを最優先して農業をしてしまえば、これまで日本が維持してきた
大切な色々なものがなくなってしまうから、農業の利益偏重は良くない」と。

考えれば考えるほど、難しい問題です。

本当に中途半端な感じになってしまいましたが、
まだまだ勉強不足で、自分なりの結論なんて見出していませんで、
今日はここまでということにしておきます。


今後も勉強したことを整理したり定着させたりする意味で、
ブログに書いていければと思います。