2014年12月9日火曜日

アテモヤその2

やっと念願の「館山産アテモヤ」を食すことができました!

収穫前のアテモヤ。
『ONE PIECE』の悪魔の実みたいです。

アテモヤの味を言葉や文字で表現するのは本当に難しいです。
品種や追熟の度合いによってその味も変わる上に、人によって感じ方も違いますし。

食べた人の意見(ネットでの感想含む)をあげてみると、
パイナップル、バナナ、マンゴー、ライチ、ラ・フランス、柿、
アイスクリーム、ヨーグルト、等々人によって様々。

私個人の感想をできるだけ具体的に述べたいと思います。

・味のベースはマンゴーに近いように思います。
・甘味は、夏に食した生のトウモロコシ(味来やピュアホワイト)を思い出させました。
・種の周りの繊維っぽいところは確かにパイナップル風です。
・皮に近い部分はラ・フランスの食感(これは梨とかにも含まれる石細胞があるため)。
・アイスクリームよりは、酸味もあるのでヨーグルトに近い。
・確かに柿を南国風にしたように感じる部分もある。

といった感じでしょうか。

カットしたアテモヤ。
手前はカットしただけ、奥は皮と種も取り除いたもの。


凍らせて食べると美味しいとも聞いておりましたし、
有名パティシエの鎧塚さんも「Dessert Live 2013」では凍らせて提供した
ということで、私も凍らせたものも食してみました。

うん、確かに凍らせて食べても美味しい!
他の果物を凍らせると甘味を感じなくなって美味しくなくなっちゃいますが、
アテモヤは糖度が高いので凍らせてもちゃんと甘味を感じるからでしょうね。

鎧塚さんの奥様で女優の川島なお美さんはブログにて、
凍らせたアテモヤを「ライチのソルベみたい」と形容されています。

追熟させて食べごろになったアテモヤ。


館山市にある暖地園芸研究所でアテモヤの研究をされている方は、
10年も前から南房総エリアでのアテモヤ栽培の可能性を探っておられ、
現在では「味の良いアテモヤ栽培に南房総エリアは適している」
と結論付けられています。

しかし商用としての栽培に取り組む生産者さんがなかなか現れないそうです。
県内には自家消費用や試験的に栽培する生産者さんはいらっしゃるのですが、
本格的生産に取り組んでおられる方はほとんどいらっしゃらないとのことでした。

現在日本では沖縄と鹿児島、そして三重県などが産地となっています。
南国フルーツなので暑い地域の方が適していると思っていたのですが、
なんと暑すぎても寒すぎてもダメなのだそうです。

そういった気候的な条件と土壌的な条件が、南房総はアテモヤ栽培に適しており、
味と質の良いアテモヤを栽培することが可能であるとのことでした。


ネックとなるのはやはり知名度の低さではないかと思います。

数年前に大ブームとなったマンゴーなんかは、日本での栽培が広がる前に、
輸入等によって「美味しい果物」というイメージはありました。
近年見るようになったパッションフルーツやドラゴンフルーツも、
「食べたことはないけど名前は聞いたことがある」程度の知名度はあります。

しかしアテモヤは「食べたことはもちろん、見たことも聞いたこともない」
という人がほとんどだと思います。

「自分も知らない=他の人も知らない=買う人はいない」
という方程式は確かに成り立ってしまうと思います。


ですがアテモヤの味はお墨付きです。
親であるチェリモヤは「世界三大美果」の一つですし、
世界中の美味しいものを知っているパティシエ鎧塚さんも認めています。

最近『ガイアの夜明け』でも取り上げられ話題となっている、
島根県美郷町の「ポポー」もバンレイシ科なので親戚です。
ポポーは実がなるのに4~6年かかるそうですが、
アテモヤは接ぎ木した苗を植えれば2年目から収穫可能です。

生食でも冷凍でも美味しく、アイスクリームなど加工にも適しています。
(私は加工品としてプリンやスムージーなんかも良い気がしています。)

沖縄などの産地の努力で、少しずつ認知度も上がってきていますし、
メディアでもわずかではありますが、取り上げられるようになってきました。

以上のように館山でアテモヤ栽培に取り掛かるタイミングとしては、
今が絶好のタイミングではないかと思うわけです。

ちなみに言えば、鎧塚さんは冷凍アテモヤを提供する際に、
パッションフルーツのソースを添えたので二つの相性は良いと思われ、
館山でパッションフルーツも生産されていますし。

(もちろん誰でもが取り組めるわけではなく、
一定程度の規模のハウスがなければいけませんが、、、)


実際のアテモヤを食べ、研究員さんの熱意ある説明を聞き、
できることなら館山の次なる特産物としてアテモヤ栽培に取り組む
生産者さんが現れてくれたら嬉しいなぁ、と強く思いました。

サイズ感がわかるように横にマッチ箱を置いてみました。

2014年12月2日火曜日

アテモヤ

先日、館山市内の直売所が連携した組織である「アグリッシュたてやま」
視察研修会に参加させていただきました。

県内他地域の直売所2軒と県内種苗会社の農場の視察という内容でした。

直売所のうち1軒は東金市にある「みのりの郷東金」「東金マルシェ」さん。
今年の春にオープンしたばかりの施設なので、とてもきれいでした。
品揃えも豊富で、外では植木や盆栽も販売されています。

何より驚いたのが、これ。




なんと、東金市で「アテモヤ」が栽培されているのですね。

実物は売り切れでお目にかかることはできませんでしたが、
東金市で栽培している農家さんがいるとは知りませんでした。

あ、アテモヤというのは「森のアイスクリーム」とも呼ばれる南国フルーツで、
「チェリモヤ」「釈迦頭」を掛け合わせて生み出されました。


「チェリモヤ」は世界三大美果の一つに挙げられる果物。
ねっとりしていて甘い、というのが味の特徴のようですが、
人によってバナナ風、パパイヤ風、パイナップル風等、味の感じ方は様々だそうで、
これは多分個体差もあるだろうし熟し具合も関係すると思われます。
英語名は「カスタードアップル」というところから味の想像ができそうです。

アテモヤとチェリモヤは別の果物なのですが、
ネットで調べると二つの説明がごっちゃになっている場合が多いですね。
元々はチェリモヤが森のアイスクリームと呼ばれていたようです。
が、アテモヤの方が日本では栽培しているところが多いようで、
わかりやすくするためにアテモヤを森のアイスクリームと称したのかもしれません。

余談ですが、世界三大美果には諸説あり、
「ドリアン、マンゴスチン、チェリモヤ」
「マンゴー、マンゴスチン、チェリモヤ」
「パイナップル、マンゴスチン、チェリモヤ」などと言われるそうですが、
どの説でもマンゴスチンとチェリモヤは入っているので、
この二つは間違いなく美味しい果物であることは間違いないようです。


「釈迦頭」はバンレイシとも呼ばれ、タイ語では「ノーイナー」です。
お釈迦様の頭みたいな見た目なのでこう呼ばれるとのことです。

タイのノーイナーは食べたことがあるのですが、実に面白い果物で、
皮と実の間になんと砂糖がまぶされている感じなのです!
もうホントほぼ砂糖で、食べると砂糖を噛んだジャリっとした食感がします。
とてもインパクトのある果物で食べたときは本当に驚きました。
英語名は「シュガーアップル」ですので、もうそのままですね。

チェリモヤもバンレイシ科バンレイシ属なので釈迦等と親戚です。
その二つを掛け合わせたのがアテモヤとなるわけです。

つまり「カスタード」と「シュガー」を掛け合わせたということで、
その果実はなかなかの甘さを持っていると想像できます。
台湾ではアテモヤを「パイナップル釈迦頭」と呼ぶそうなので、
そこからも味は何となく想像できそうですね。


と、長々と果物の説明をしてしまいましたが、なぜこれに注目かというと、
千葉県農林総合研究センターの暖地園芸研究所という施設が館山市にあり、
その研究所でアテモヤ栽培の研究も行われているのです。

8月に暖地園芸研究所の試験研究成果発表会に参加した際その事実を知り、
タイでノーイナーに衝撃を受けていた私は、その親戚となるアテモヤにも
非常に興味をひかれたのです。

館山市ではパッションフルーツマンゴードラゴンフルーツといった
南国フルーツを栽培している生産者さんはいらっしゃるのですが、
アテモヤはあまり知名度のない果物だというのがネックとなり、
館山市だけでなく千葉県内でも栽培している生産者さんは
ほとんどいないとのことでした。
(全国で見ると沖縄や鹿児島では栽培している生産者さんがいるようです。)


そんなアテモヤ、日本では冬が収穫のシーズンになります。
館山市の暖地園芸研究所内の施設で栽培されているアテモヤは、
早ければ11月下旬頃から収穫できる、と伺いました。

場合によっては市内でも購入することができるとのことなので、
何とか入手して食してみたいと思っております。

暖地園芸研究所のアテモヤ(8月時点)

2014年11月20日木曜日

安房大地と海の恵み発見伝

昨日は館山市内のホテルを会場に「安房大地と海の恵み発見伝」と題した、
安房地域の生産物や加工品の商談会・販売会があり、見学してきました。

オリジナルジャムの種類が豊富な「館山フルーツ工房」さん

ジャムの他にもドレッシングやケチャップなども。


館山でハチミツと言えばテレビでも取り上げられた「ひふみ養蜂園」さん

今の一押しは新商品の「蜂蜜夏みかんジュース」


王様トマトでおなじみの「たてやまかおり菜園」さん

様々な種類のトマトを1年中栽培。


といった、館山でお世話になっている方々のブースもあり、
それ以外にも南房総各地域から全部で50程のブースが出ておりました。

先日の研修でもお世話になった鴨川市「みんなみの里」さん。
「パッションフルーツのレアチーズケーキ」を試食させていただきましたが、
パッションフルーツの香りが良く、とても美味しかったです。


南国ムード漂うドラゴンフルーツは、
「館山ファミリーパーク」さん。

先日、6次産業化の研修を受けてきたばかりなので、
そういった視点を持って見学することができました。

同じ食材を使っての加工品でも、各社それぞれにアイデアがあるし、
同じ種類の加工品であっても、工夫されているポイントはそれぞれ違うし。

スモールビジネスだけでなく、一定程度の規模を持ったビジネスも
地域にとって必要な役割があると思います。
こういった機会に出展者同士のコラボレーションなんかが生まれれば、
雇用創出につながる規模のビジネスも起こるのかもしれないな、と感じました。

自然解凍で美味しくいただけるさんが焼き。
南房総市「青倉商店」さん。
魚の種類で風味や香ばしさが全然違う。
野菜たっぷりで柔らかく、自然解凍OKだからお弁当にも◎。


2014年11月19日水曜日

6次化起業支援研修~集合研修1回目~

先日、「6次化起業支援研修」の1回目集合研修に参加しました。

この研修は、認定NPO法人ふるさと回帰支援センターが運営する
ふるさと起業塾が行っている事業で、
6次産業化関連で起業する際に必要な知識を3つの講座に分けて、
合計50時間も勉強させていただける、ありがたい研修です。

全国を4つのブロックに分けて行われており、
私は関東ブロックの研修に参加しました。

会場は鴨川市にある「鴨川自然王国」さん。
千葉県で一番高い山の上にある、色々な活動を行っている多目的農園です。
その存在はちょっと前から知っていて、いつかは行こうと思っていたので、
このような形で訪問できてありがたい限りです。

参加者は私を含めて7名で、様々なバックボーンを持った方々でした。
千葉県内からの参加は私だけで、東京や神奈川、山梨からのご参加。
みなさん良い方ばかりで、お陰様で楽しく研修に参加できました。

内容を細かく書いていくとかなり長くなってしまうので、
感想や印象だけをずらずらと書きたいと思います。

感想としては、

6次産業化でスモールビジネスを起こすのであれば、
農業を生業のベースにして、そこから派生する何かを、
楽しみながら取り組むのが良さそうだなぁ、と。

けどそれをやるには「夫婦」というのがキーワードかなぁ、と。

そして何より、スモールビジネスはどんな業態であれ人柄が大切で、
周りから愛されたり、周りが助けたくなったりするような、
まっすぐで素直な感性を持った人が向いていそうだなぁ、と。

で、そうなると自分はそれに当てはまらないなぁ、と。

まぁ、そんな感想を持った次第であります。

何はともあれ、研修内容自体は実に学びの多いものばかりで、
充実した3日間を過ごせました。
1月に2回目の集合研修があるので、そこでも多くを学ぶ所存です。


同じ南房総ですが、山の上だからかすごく寒かったのも印象的でしたし、
星空が、久しぶりに「おぉ!」と思うほどきれいだったのも印象的でしたし、
キャンプファイヤー並の大きな焚火も印象的でしたし。

内容の濃い3日間を過ごしたのにも関わらず、
ほとんど写真を撮らずに過ごしてしまいました。
2枚だけ撮った写真を載せておきます。

2日目の夕飯。
鴨川自然王国で採れた野菜や、お店の方が釣ってきた魚など。

先輩起業家を訪問ということで、
富津市金谷にある「Pizza Gonzo」の手作りピザ窯。
(※リンク先はFacebookページです)

2014年11月10日月曜日

「“渚の駅”たてやま」商業施設棟オープン!

館山には「“渚の駅”たてやま」という施設があります。

今までは飲食するための施設がなかったのですが、
この度めでたく商業施設棟として飲食施設がオープンしました!

商業施設棟の外観


1階が「海のマルシェたてやま」で、館山の農水産物や土産物などの物販施設。
2階は、お食事が中心の「館山なぎさ食堂」と、
コーヒーやケーキ、ジェラート、軽食を販売する「Tateyama Nagisa Cafeteria」です。

ケーキやサンドウィッチのショーケース

2階は展望デッキにも出られるようになっていて、
これからの季節は少し寒いかもしれませんが、
天気の良い日は館山湾を一望しながらお茶する、なんて洒落たこともできますよ。

「館山なぎさ食堂」はまだプレオープンということでメニューは厳選していて、
順次メニューが更新されていくとのことでした。
メニューが出揃うのが楽しみです。

展望デッキからみた「館山なぎさ食堂」


今回はCafeteriaのジェラートを食してみました。

種類は、
「ダークチョコレート」「ピスタチオ」「有機レモンと黄金しょうが」
「ロイヤルミルク」「あまおう」「蕎麦の実焦がしキャラメル」
と小洒落たものばかり。

ジェラートのショーケース

もっとも味の想像が難しい「蕎麦の実焦がしキャラメル」をチョイス。
香ばしいキャラメルジェラートに煎って砕いた蕎麦の実がたっぷり。
キャラメルと蕎麦の二重の香ばしさを感じることのできるジェラートでした。

(ちなみち、1階のマルシェ脇でも「ミルクソフト」と「びわソフト」を販売しています。)


ノープランで館山にお越しの方は、まずこの「“渚の駅”たてやま」
寄ってみることをお勧めいたします!

展望デッキで「蕎麦の実焦がしキャラメル」ジェラート

2014年10月21日火曜日

館山のカフェ・喫茶店

南房総エリアは海がありますので展望の良いカフェが多くあります。
最近公開された吉永小百合さん主演の『ふしぎな岬の物語』という映画(の原作)が、
鋸南町にある「音楽と珈琲の店 岬」というお店をモデルとしていることは有名です。

もちろん館山市内にも、海沿いのみならずカフェや喫茶店がたくさんあります。
私がこれまで行ったカフェ・喫茶店だけでも

café Polaris
・BAD ASS COFFEE 館山店
コンテナカフェ
トリノカフェ
・カフェ・ノワール
おやつマルシェ
SEA DAYS COFFEE
珈琲館サルビア
CAFE DEL MAR
AWAcafe
安房あづち茶屋
・TIME OUT Cafe
濱﨑珈琲
・カレーカフェどんぐり
なかぱんカフェ
KIYOTAケーキファクトリー
アイスクリームカフェCowBoy
館山パイオニアファーム(スイーツショップ)
・茶房 古伊万里

とこれだけあります。
(※順不同、店名でググってWebページがあったものだけリンクを貼っています。)

けどこれでもまだ、「知っているけどまだ行けていないお店」や、
「未だ知らないお店」もあることと思います。

これらのカフェ・喫茶店の多くが、フードメニューやデザートに
館山や南房総エリアの食材を取り入れています。

café Polarisさんやコンテナカフェさんでは、現在館山市内で開催されている、
「いちじくKANTEN・寒天」フェアに参加されています。

館山産のいちじくを使用した、料理研究家の川上文代先生監修の寒天をベースに、
各店舗工夫を凝らしたスイーツになっております。

café Polarisさんの「いちじくKANTEN・寒天」


それぞれのお店についてのレビュー的なものは、
少しづつこの記事のコメント欄に書いていければと思っております。

別途お店のことを知りたい方は、ブログの右側にある
連絡・質問フォームのところからどうぞ。




余談です。

先日、最初に書いた「音楽と珈琲の店 岬」にも行ってみたのですが、
さすが吉永小百合さん効果ですね。
中高年のお客様でかなり混み合っていました。
休日に行ってみようと考えている方は、かなり待つことを覚悟した方が良いですね。

店舗の増築工事をしていたようなので、完成すれば多少は緩和するかもしれませんが、
しばらくは混雑が続きそうです。

「音楽と珈琲の店 岬」の外観
(右奥が増築中、と思われる)

2014年10月6日月曜日

地域おこし協力隊の初任者研修

9月半ばに、総務省が市町村職員中央研修所と共催する研修会に参加してきました。

その名も、
『地域おこし協力隊員及び集落支援員の初任者を対象とした研修会』

少し仰々しい研修名ですが、これは強制ではなく任意参加です。
任意参加ですが、定員以上の申込があって参加できなかった人もいるようです。

今回の参加者はなんと約150名。
前回までは約70名くらいでこの研修を行っていたそうですが、
地域おこし協力隊員の数が増えてきたこともあり、
今回から定員を増やすチャレンジをしてみたそうです。

場所は千葉県千葉市にある市町村職員中央研修所
その名の通り市町村職員の研修のための施設で、立派な宿泊棟も備えておりました。

そこに2泊3日缶詰めになっての研修でした。

全体的な感想を最初に書いてしまえば、
「それなりに勉強になって、それなりに楽しかったけど、
 内容自体はもっと改善した方が効果が高まるだろうなぁ」
と感じました。

宮城県出身や宮城県にゆかりのある方や、JOCV経験者といった、
自分と共通のバックボーンを持った方々と出会うことができましたし、
色々な人の意見や話を聞くのは、やっぱり勉強になりました。

私としては、そういった隊員同士の横の繋がりを多く生み出すプログラムを取り入れた方が、
初任者研修としてはもっと意義があるのではないか、と感じました。

移住した地域の状況も、各個人の考えも、受け入れた行政の思いも、
それこそ千差万別ですし、何よりそもそもの「地域おこし協力隊」というものに対しての、
認識自体が人によって大きく違っているのです。

そんな中での参加者の共通点は「新しい地域に移り住んで新しいことを始めたばかり」
ということだと思います。

新しい地域に移り住んで新しいことを始めたばかりの人たちの多くに共通するのは、
「戸惑いや心細さや不安」といったものです。

150人も集まるのですから、置かれている状況や考えが似ている人もいるでしょう。
状況や考えが似ていれば、感じている戸惑いや不安なんかも共通するはずです。
そういった人たちをマッチングして、新しい環境に入ったストレスを発散するとともに、
今後のことについて一緒に考え合うことができれば、展望も開けるかもしれません。

多くの隊員が「地域おこしの素人」なわけですから、地域おこしの概論的なことや、
汎用な技術論や他所の事例なんかを聞くことも必要ないとは言いませんが、
それ以上に横の繋がりをもっと多く生み出すことの方が大事だったような気がします。

だってせっかく同じ場所に150人も集まっているんですよ?
学術的な知識とかは、ぶっちゃけ一人だって勉強できるわけですし。

「大人なんだから、それぞれ空いた時間で繋がりを作る努力すれば良いじゃん」
という考えもあるでしょうが、もう少しきっかけを与える工夫があるだけで、
繋がりが生まれる可能性がぐんと増えると思うのです。

とにかく繋がりゃ良い、というわけではありませんが、
繋がりは可能性ですから、可能性は多い方が良いと思うのですよね。


ま、何にせよ研修自体は非常にありがたいものでした。
様々な考えを持つ人と、色々な話ができて勉強になりました。

研修で私と話してくださった方々、ありがとうございました。

2014年10月3日金曜日

千葉県と言えば落花生

千葉県の名産品は?と問われて、全国の人が思い浮かぶとしたら、
「落花生」が一番多いのではないかと思います。

東北の宮城県出身の私も、「千葉は落花生で有名」と認知していました。

千葉県として推奨している落花生の品種に「おおまさり」というのがあります。
(千葉県の「おおまさり」を紹介しているページへ)
名前に”おお”とつくように、目を引く大きさが特徴です。
一般的な落花生の倍の大きさ、と言われております。

館山の生産者さんでも、おおまさりを栽培している方がいらっしゃいます。
先日取材もさせていただきました。(その取材記事はこちら)

実際におおまさりを目の当たりにすると、やはりその大きさに驚きます。
そして大きいからといって大味なのではなく、味も非常に良いと聞き、
「こりゃ食べるしかない」と地元の直売所で買い求め、茹でて食べてみました。


そう、ちょっとおおまさりの感想からは離れますが、落花生を茹でることについて。

「ゆで落花生」は最近でこそ剥かれて真空パックにしたものなんかが、
コンビニやスーパーなんかでも売られているのを見かけますが、
やはりまだ乾燥させた硬い落花生の方が一般的ですです。

多くの落花生の生産地では昔から生の落花生を殻ごと塩ゆでして食べる、
という文化があったそうです。
館山にもその文化があり、直売所でも生落花生が茹で用として売られています。


私は以前からゆで落花生が好物だったのですが、生のものを自分で茹でて食べる、
なんて経験はしたことがなかったのでワクワクしながら食しました。

いやー、美味い!
そりゃ旨いに決まってます!

しかし、今回アピールしたいのはこの「旨い」の先なのです。

落花生も農作物ですから、良く成長したのもあれば成長不足のものもあります。
農家さんは出荷前に選別して、成長不足のものは出荷しませんので、
市場ではほとんど見かけることはありません。

ましてや「ゆで落花生」として真空パックになっているものは剥かれているので、
未成熟な実が混入することはほとんどあり得ません。

しかし生の落花生を自分で茹でると、この未成熟は実が混ざっていることがあります。

この「ゆで未成熟落花生」こそが、「旨い」の向こう側の存在です!

未成熟な落花生を「しなす」や「しいな」と呼ぶそうです。
「しなす・しいな」は市場に出回りませんので、その存在はマイナーです。
知る人ぞ知る存在ですが知っている人は皆、その旨さに賞賛を送っています。

試しに「落花生 しなす しいな」でググってみてください。

「しなす・しいな」は選別の段階で商品にならないとされたものを、
生産者さんとその周辺の方々が食べていたものですので、ほとんど知られませんでした。

現在でもごく限られた条件でしか手に入りません。
生の落花生は足がはやいので、生産地でしかほとんど手に入りませんし、
さらに「しなす・しいな」が入っているとなるとさらに難しくなります。

この美味しさ、旨さは食べてみなくてはわかりません。

食べるためには、生産地に行かなければなりません。

館山の落花生のシーズンはもう終わりに差し掛かっていますが、
今ならまだ間に合います!

どうぞお誘い合わせの上、急いで館山へお越しください。
※10月から新宿-館山の直行バスが運航開始され、アクセスがさらに便利になりましたよ!

これが「しなす・しいな」
殻の内側についている半透明のゼリー状の部分が、
これまた美味!!



あ、落花生のシーズンに間に合わなかった方でも、
ピーナッツソフトで有名な「木村ピーナッツ」さんで、
冷凍の塩ゆでおおまさりが売られているので、そちらをどうぞ!

2014年10月2日木曜日

たのくろ大学校

館山市の有志の農家さんたちが中心となって行っている、
「たのくろ大学校」という親子で農業体験をしてもらうイベントがあります。

平成11年から毎年行われていて、年度ごとに申し込んでもらい、
春から秋にかけて田植えや稲刈りといった自然と触れ合う体験を数回行います。
ここ数年は十数家族、40~50人もの参加者が集まる人気のイベントです。

稲刈り体験の様子


今年度はどんなプログラムだったかというと、まず5月に入学式が行われ、
サツマイモや野菜の定植と田植え体験を行いました。
作業の後は館山の農産物をたくさん使った手作りのお昼ご飯を食べて解散。

8月には、館山は農業だけでなく漁業も盛んということで漁協の見学をしました。
本物の漁船を見て漁師さんのお話を聞き、水揚げされた様々な魚に驚き、
お魚クイズや魚の開き講習といったイベントで盛り上がりました。

お昼は流しそうめんやバーベキューと、春に自分たちで植えたミニトマト、
そして漁協の方の計らいでサザエのつぼ焼きなども楽しみました。
帰りは親御さんが自ら作った魚の開きをお土産に。

漁協の見学

9月には芋掘りと稲刈り体験。
想像以上に大きく育ったサツマイモに子供も大人も大盛り上がり。
自分たちで掘った大量のサツマイモはこの日のお土産。

芋掘りの様子
餅つきの様子

収穫後は餅つき大会でさらに大盛り上がり。
つきたてお餅や炊き立ておこわでお腹いっぱいにした後は、
かかしコンテストに出展するためのかかし作り。

体験のプログラムは以上で終了ということで、この日は卒業式も行われ、
参加家族毎に卒業証書も手渡されました。


そして先日、たのくろ大学校今年度最後のイベントとして
秋まつりが開催されました。
地元の産物や食べ物を売る露店も出て盛り上がりました。

メインはもちろんかかしコンテスト。
力作あり、王道あり、世相を反映させたものあり、
と個性的なかかしがずらりと並びます。その数なんと30体!

天気も秋晴れで、たのくろ大学校の締めくくりにふさわしいお祭りでした。

ずらりと並んだかかし達


このイベントを運営している方々は、忙しい中集まって会議をし、
事前準備は寝る時間を削ってまで行っていました。

私は当日のお手伝いをさせていただいただけですが、
本当に良いイベントだな、と思います。

参加者の皆様、ありがとうございました。
運営の皆様、お疲れ様でございました。

こちらが最優秀賞を取った作品
おばあさんが若々しい!

2014年9月22日月曜日

蒲田女子高等学校の稲刈り体験

先日お手伝いしたのは、蒲田女子高等学校の稲刈り体験です。

女子高生が炎天下の中、稲刈り


蒲田女子高等学校の生徒さんは、今年5月に館山で田植え体験を行いました。

その稲が収穫のタイミングとなったということで、
有志の生徒さん約30名が稲刈りのために再来館山です。

鎌で稲を刈り、一定の量をまとめて束ねるとこまで手作業で体験。
またそれだけではなく、なんとコンバインでの刈り取りも体験。
コンバインを一人で操る女子高生


有志で来ただけあって、皆さん積極的に作業を行っていました。

中でも、将来就農を希望している生徒さんが一人いらっしゃり、
その生徒さんは最後まで田んぼに入って地元農家さんが行う作業を手伝っていました。

きっと将来、立派な農家さんになることでしょう。

こういった食育や農育の小さな体験の積み重ねが、これからの日本の食や農の
方向性を決めていくのかもしれないなぁ、と感じました。



2014年9月12日金曜日

館山の養蜂家さん

先日、『ひふみ養蜂園』さんに取材でお邪魔しました。

ひふみ養蜂園さんの店舗


南房総エリアははミツバチの越冬地として昔から有名で、
近年は少なくなった「移動養蜂」を行っている多くの養蜂家さんが、
冬になるとミツバチ一緒に南房総エリアに移動してきたそうです。

ひふみ養蜂園さんも元は青森県で養蜂をしていたそうですが、
昭和25年に拠点を館山に移し、それからずっと館山で養蜂を行っています。

今回の取材で実際の養蜂場に行かせていただきました。

養蜂場の一つ(まわりには枇杷の木があります)


ミツバチの巣箱に近づき、巣をつくって蜜をためる巣枠も持っちゃいました。
手袋をしてなかったので少々緊張しましたが、貴重な経験でした。

ビビりながら巣枠を持つ私


ひふみ養蜂園さんのはちみつで特徴的なのが『びわハチミツ』です。

南房総エリアはびわの一大産地でもあります。
そのびわの花から集めた蜜だけで作る『びわハチミツ』
実はこれ、非常に希少価値が高いはちみつなのです。

びわハチミツとオリジナルドレッシング


なぜかというと、びわの花が咲くのは冬だからです。

と、これだけ聞いてもいまいちピンときませんよね。
私も初めはよくわかりませんでした。

まずはちみつを得るためには、蜜をつける花がなければいけません。
花だってたくさん咲く年もあれば、あまり咲かない年もあります。
そして咲いたとしても、蜜がたくさんつく年もあればつかない年もあります。
それに気温や雨風といった天候やミツバチの生育状況も重要です。

そういったいくつもの要因がタイミングよく合わなければ、
はちみつは採れないのです。

で、びわの花に関しても同じことが言えるわけですが、
「花が咲くのが冬である」というのが大きな問題となります。

最初に書きましたが、移動養蜂家さんはミツバチに冬を越えさせるため、
冬は暖かい南に移動してきます。

そう、つまりミツバチは寒さに弱いのです。

館山は越冬できるほどの暖かさがあるとはいえ、
気温が低ければミツバチは蜜を集めるほど活発には活動できません。

つまりびわハチミツを採取するためには、びわの花が咲く寒さになっても、
ミツバチを蜜を集めに行けるくらいのコンディションに保っておく、
ということが必要になってくるわけです。

『びわハチミツ』の希少性がわかっていただけたでしょうか?

そもそも日本で出回っているはちみつのうち、国産は5%程度と言われています。
その中でもさらに希少な『びわハチミツ』
お取り寄せもできますので、興味ある方はひふみ養蜂園さんのHPをご覧ください。

蜜の詰まった巣枠


2014年9月2日火曜日

館山から見える富士山

館山からは富士山が見えます。
東京からだって見えますよね。

富士山から東京都心までの距離は約100㎞。
富士山から館山までの距離は約110㎞。

富士山までの距離は都心とほとんど変わらないのですが、
実は館山から見える富士山の方が大きく見えるのです。

館山からの富士山を見たことのない人が今イメージした大きさより、
2~3倍くらい大きく見えると断言できます。


先日こんなことがありました。

夕方、館山イオンの駐車場からきれいに富士山が見えました。
するとイオンから出てきた観光客と思われる男女数名がこんな会話をしました。

「あれ、富士山じゃない?」
「あ、ホントだ!、、、けど、あれじゃ大きすぎない?」
「、、、確かに大きいね。じゃ、あれは富士山じゃないね。」
「なんだー、ぬか喜びしちゃったよー。だとしたらあれは何山?」

その会話が耳に入った私は思わず立ち止まり、彼らにこう言いました。

「あれ、富士山ですよ。」と。


それくらい大きく見えるのです。
「まさか館山から富士山がこんなに大きく見えるわけないだろう」
と思っちゃうくらいの大きさで見えてしまうのです。

なぜ大きく見えるのか?という疑問に迫った秀逸な記事があります。
こちら→たてやまGENKIナビ「なぜ館山の富士山は大きいの?」
(私がこの文章を書こうと思ったのも、この記事を読んだからです。)

こればっかりは、写真じゃ絶対に伝わりません。

秋から冬にかけて空気も澄んで、富士山がきれいに見える確率も上がります。
ぜひ館山にお越しになって、実際にその目で確かめてください!

2014年8月25日月曜日

「異国の学生さんが田植え体験」したその後の稲

このブログの一番最初の記事である、
『異国の学生さんが田植え体験』
ですが、先日その田植えをした田んぼを見てきました。



しっかり実っております。

この田植え体験の時は、私も一緒に裸足で田んぼに入って田植えをしたので、
あの小さかった苗達がこんなにも立派になるのは、やっぱり嬉しいですね。

館山の秋の味覚『いちじく』


先日、『館山市いちじく組合』の目揃会を見学させていただきました。

「目揃会」とは、生産者さんと農協や市場の方々が一堂に会して、
大きさや形状、色、傷などの具合をみながら基準をすり合わせる会です。
こうやって基準を合わせることで『たてやまいちじく』として、
一定の基準を満たしたいちじくを市場に出荷できるわけです。

目揃会の様子

館山でのいちじく生産の歴史は、まだそんなに古いものではないのですが、
組合の方々はいちじくを館山の名産物にしようと、生産のみならず、
加工やいちじく狩りなど色々と力を入れてらっしゃいます。

いちじくは皮が薄い上に足がはやいので、市場へ出荷するにはかなり気を使います。

パック詰めの段階では小さな傷であっても、それが輸送されスーパーに並び、
各家庭で食されるタイミングでは大きな傷みになっている可能性があります。
また傷のないきれいな実であったとしても、パックへの詰め方が悪ければ、
いちじくのヘタで他のいちじくを傷つけてしまうこともあるのです。

こういったことに気をつけて出荷しているのは、いちじくに限ったことではなく、
他の農作物でも同様だとは思うのですが、大変な作業だなぁと思いました。

いちじくは、収穫後に甘さが増すいわゆる「追熟」はしないそうです。
収穫した時点でその実の甘さは決まってしまうのですね。

いちじくを生で食すのであれば、やっぱりそれなりに甘い方が美味しいと思います。
しかし甘さがピークになる頃には柔らかくなりすぎて、輸送に向かなくなります。
よって市場に出せるのは、輸送に耐えうるくらいの硬さを保ったものとなり、
甘さの点ではもう一歩と言わざるを得ないものとなってしまいます。

「生で食べても美味しい、甘~いいちじくを食べてもらいたい。」

となると、甘さがピークの木で完熟したいちじくを、直接もぎ採って食べてもうしかない!
ということで、組合ではいちじく狩りを行うことにしました。

今年は、はとバスのツアープログラムの一つとして行います。
『鴨川シーワルドと南房総いちじく狩り』というコースです。

来年からは市民や一般の観光客の方にも、いちじく狩りを体験していただけるよう
計画&準備を進めているそうです。

組合員の齊藤さんが経営する『館山パイオニアファーム』では、
個別申込可能ないちじく狩りを今年も行っておりますので、
すぐにでもいちじく狩りをしたい方は『館山パイオニアファーム』へお問い合わせください。

館山の新しい秋の味覚『いちじく』を是非ご賞味ください。



2014年8月14日木曜日

客商売におけるトイレの大切さ

観光客を含めたお客さんを集めるためには、トイレが重要だという話は有名です。
確かにトイレが清潔でおしゃれなお店は、お店自体も良い場合が多いと思いますし、
団体の観光客を呼び込むためにも、そういった施設はトイレに力を入れてますし。

館山市のとある飲食施設で、ちょっと感動したトイレがあったのでご紹介です。

館山市のバイパス沿いに「南房総コンテナキッチン」という場所があります。


コンテナを利用した飲食店が数店舗集積されています。
私も何度かランチやコーヒーをいただいていますが、とても良いお店です。

この場所のトイレの設備が、本当に素晴らしいのです。


写真をご覧ください。














大きい個室に、なんとお子様用水洗トイレが設置されています。
お子様連れのお客さんにはありがたいサービスですね。
しかもこれ、男子トイレの個室なのですよ。


これだけでもなかなか凄いのですが、もっと驚いたのがこちら。


















わかりますか?なんと、エアコンディショナー完備なのです!

トイレの個室にこもるとそれなりに気合を入れますので、夏は大汗をかきます。
しかしここのトイレであれば、かなりの大物との戦いであっても、
快適に勝負を進めることができるのです。

このエアコンの働きで、個室のみならずトイレ全体も涼しく快適。
コンテナキッチンのHPを見てみたら、やはりこのトイレはこだわりのようです。

また行きたい、と思わせるトイレ。良いですね。

2014年8月11日月曜日

新規就農者を増やす

「就農者を増やす」というのは農業が盛んな地方では共通する課題だと思います。

近年は食への関心の高まりもあって、家庭菜園や市民農園で野菜を育てる方や、
実際に田舎に移り住んで農業を始める方なんかも増えてきている、
という話を色々なところで目にし、耳にもします。

実際に田舎に移り住んで農業を始める、といっても考え方は人それぞれで、
「自分や家族が安心して食べられるものを自分たちの手で作りたい」
という思いから農業を始める方もいらっしゃれば、
「農業があぶないと言われている今だからこそビジネスチャンスがある」
という野心から農業を始める方もいらっしゃるでしょうし、
「危機的状況にあるといわれる日本の農業を自分が救うんだ!」
という理想を持って農業を始める方もいらっしゃるでしょう。

どのような形でも新しく農業を始めるには、色々な障壁があるようです。
農地の入手方法、農機具等の設備投資、周辺農家さんとの付き合い、
販路の開拓、そして農業技術をどのようにして身につけるのか、等々。

そういった障壁を少しでも越えやすくするための仕組みが、
色々なところで取り組まれています。

私が利用している「地域おこし協力隊」の制度もその一つでしょうし、
農水省がやっている「新・田舎で働き隊!」もそうだと思います。

民間では人材派遣で有名なパソナさんがやっている「パソナ農園隊」
という取り組みなんかも面白い制度だと思います。
ワタミさんがやっているワタミファームのフランチャイズ制度なんかも、
うまくいっているかはわかりませんが、新しい仕組みだと思います。

さらに農業法人に従業員として就職するというのも一つの方法です。
農業生産法人である有限会社トップリバーさんの取り組みは、
その代表的な例であると思います。


しかし一方で「農家の数を増やす必要はない」という論もあるようです。

むしろ農家の数はもっと減らして、1農家あたりの耕作面積を広げ、
低コストの効率的な農業を行う必要がある、と。
そもそも日本は国土が狭いということもあるでしょうが、諸外国に比べて
1農家あたりの耕作面積がかなりせまく、それでは効率的な農業は難しい、と。

さらに言えば、これからは人口減少で食物の消費量も減っていくのだから、
農家を増やして生産量を増やす必要はない、という論です。

これもこれで間違ってないような気もします。

ま、この二つの考え方は相反する考えというわけではなく、
相互補完的な考え方でもあると思いますが。


色々な考え方があって、色々な取り組みがあって。
それぞれが、それぞれの想いや使命感を持って行動していて。

人の意見や考えを聞いたり、本や資料を読んだり、
セミナーや研修に参加したりして強く感じるのは、
たくさんの人が日本の農業を良い方向へ向かわせたいと思い、
行動を起こしているのだなぁ、ということです。

そして自分にはまだまだそういった情熱や希望が足りていないと痛感します。
情熱や希望や志を持つこと、それが私にとっての一番の課題です。

2014年8月7日木曜日

Google検索について

今回は活動とはあまり関係のない内容となってしまいますが、
情報発信の際に気を付けることの一つとして書きたいと思います。


Googleで検索する際、検索したい言葉を入力するとその言葉と関連の高い言葉が、
勝手にずらっと表示される機能があります。

オートコンプリートとかサジェストとかいうらしいです。

例えば私のパソコンで「牛タン」と入れると下には、
「利休、仙台、ねぎし、喜助、レシピ、、、」という順番で表示されます。

これを「世間で多く検索されている言葉の組み合わせである」
と思い込んでいる方をときたま見受けることがあるのですが、
実際はその人がいる地域によって表示される言葉は違うのです。

このことを知らないと、思わぬ勘違いをしてしまいます。

先日、ある研究発表会でその勘違いをしてしまっている方がいました。
「『みかん狩り』と入力すると次の単語として『千葉』が一番上に表示される。
それくらい千葉のみかん狩りは全国的にも有名なのです。」と。

残念ながら私のパソコンでは、「みかん狩り」と入力すると、
一番上に「関東」と表示されます。
きっと関西方面にお住いの方であれば、また違うと思います。

さらにパーソナライズというものもあり、この機能が発揮されていると
使用するパソコンによっても結果が変わってくるのだそうです。
直前に検索した言葉とかから、その人が知りたいであろう情報に
近づけようとしてくれる機能で、携帯電話の予測変換と似たようなものですね。

これらの機能がどの程度発揮されているのかはわかりませんが、
「検索したらオートコンプリートの上位に出てきた」=「世間で認知されてる」
ではないということを注意しなくてはならないな、と思いました。


「海外SEO情報ブログ」に上記のことがわかりやすく書いてありました。
もう少し詳しく知りたい方はご覧ください。

2014年7月26日土曜日

行政職員と民間人

後学のために色々と本を読んでみているのですが、
『社会を変える仕事をしよう』(日本実業出版社、佐野章二著)
という本を読んで、特に面白いと感じた部分があったので、
その部分について自分が感じたことを含めて書いてみます。

佐野章二さんは(有)ビッグイシュー日本の代表の方で、
この本もビッグイシュー日本のことを中心に、社会的企業についてや、
社会問題解決に向けた取り組みについてなどが書かれていて、
非常に興味深い内容となっています。

その本の中にこんな話が載っていました。


==以下は内容を要約したものです==

阪神淡路大震災の時に、500人いる避難所に300枚の毛布が届いた。
その避難所の責任者である行政の職員は不公平になるといけない、と
その毛布を全部倉庫の中に保管した。

これに対してボランティアの人が責任者をしていた避難所では、
届いた毛布を真ん中に山積みにして、事情を説明した上で、
譲り合って毛布を取るようにお願いした。
するとお年寄りや子ども、妊婦さんや病人など弱い立場の人から順に、
毛布がいきわたった。

==要約ここまで==


この話は結構有名な話だそうで、知ってる方もいらっしゃるかもしれません。

これを読んで「ホント行政は融通がきかなくてダメだなぁ」なんて、
考えちゃう人もいるかもしれませんが、著者の佐野さんはこの話で
行政を批判したいわけではないことは確かです。

この内容の後にこのように書かれています。


==以下引用(P154の1行目~)==

 ここには固い行政マンと柔軟なボランティアの違いという以上に、行政とボランティアの仕事の原理や方法の違いが現われている。
 行政は公平、平等を原理とするので、全体の状況が見えるまでは動けない。すぐ動くと不公平になるかもしれないからだ。これに対し、ボランティアは即時・即応、臨機応変を旨としてすぐに動ける反面、偏りを生む可能性がある。手法的には、法律に従う行政は「一律、画一、一元性、法律遵守、前例主義」になる。それに対して、ボランティアは「多様、個別、多元性、先駆的、実験的」という動き方ができるという特徴をもつ。

==引用ここまで==


どちらが良い悪いではなくて、行政と民間にはそれぞれに特徴があり、
その特徴を活かせるような役割分担をして社会問題に対応していくことが、
この複雑化・多様化した世の中では必要であるってことですよね。


私は今、地域おこし協力隊として民間人の立場で市から委嘱を受けています。

行政職員ではないのですが、現在は役所の中に机を置かせていただいてますし、
役所のお仕事を手伝わせていただいてもいます。

そんな立ち位置にいるわけですから、行政と民間それぞれの特徴の良い部分を、
うまく融合させて活動に繋げていくのが理想的なのだと思います。
しかし場合によってはその逆に、それぞれの特徴の良い部分を潰し合ってしまい、
実のある動きをとれなくなる危険もある、とも感じています。

ご縁があって館山に移住し、活動させていただいているわけですから、
自分の立場やスタンスをしっかりと見極めて活動していけたらと思っています。

2014年7月23日水曜日

大田区立館山さざなみ学校

少し前ですが、「大田区立館山さざなみ学校
という学校へ訪問する機会がありました。

さざなみ学校とは、小学3~6年生までの肥満、ぜん息、偏食、虚弱の
悩みを持つ子どもたちが、親元を離れ、全寮制の寄宿舎で生活しながら
自分の「健康回復」のために学習する学校です。

特別支援学校の一つとのこと。知りませんでした。
(詳しくはさざなみ学校のHPをご覧ください)

大田区立ですから、児童たちは東京都大田区民です。
都会から離れ館山で集団生活を送ることで、生活習慣はもちろんのこと、
自主的・実践的な態度も身につけることができるそうです。


この学校の近隣農家さんで、「農育」に取り組んでらっしゃる方がいます。
畑で収穫体験を行ったり、農家さんが学校で野菜について話したり
といった取り組みを継続的に行ってらっしゃいます。

その方の紹介でさざなみ学校にお邪魔させていただいたのですが、
その農家さんと何度も会っている児童たちはかなり打ち解けている様子でした。

この学校の給食献立を考えている栄養士の先生とお話しする機会もあり、
色々と興味深いお話を伺うことができました。

全寮制ですから、1日3食が給食です。
健康回復が目的である上に、偏食傾向をもった児童もいるため、
献立を考えるのもかなり大変だろうと思います。

その先生のお話で特に印象に残ったのは、
「顔の知っている農家さんが育てた野菜であれば、子どもたちも食べたがる」
という話でした。

偏食傾向の児童でも、収穫体験をし、その農家さんから野菜についての話を聞くと、
いつもは食べない野菜でも「その農家さんが作ったのなら食べる」となるそうです。
これははっきりと目に見える「食育・農育」の形だなと感じました。


こういった学校が館山にあることを知れたのも大きな収穫でしたし
食育・農育の一つの形を目の当たりにできたのも非常にためになりました

ありがとうございました。
【農家さんが児童に野菜について話している様子】


2014年7月16日水曜日

食のまちづくりに関しての勉強(4)

「勉強」というとやっぱり言い過ぎのような気がしますが、基本的な知識が足りないので、
本とかWebとかで色々と読み漁っております。

頭でっかち傾向のある私は、考えるばかりで答えが出ずダメダメなのですが、
その考えをまとめるため、そしてその文章を人の目にさらすことで意識を強め、
何がしかの答えに近づけるようにブログに書いちゃおうと思います。


ある本の小見出しに『「農家を守る=農業を守る」ではない!』と書かれていて、
「なるほど、確かに」と思いました。

本の内容はさておき、「農家を守る」と「農業を守る」はかぶる部分はあれど、
相反する部分もあることは確かなような気がします。

特に現在の日本の農家さんは、多くが高齢者となっています。
父親や祖父の代からその土地を耕し、これまでのやり方で数十年も農業を行ってきました。
なので今起ころうとしている大きな変化になかなか対応しきれない人が多いのも事実です。

しかし日本のこれからの農業を考えると、これまでのやり方を変えねばならず、
それは場合によってはこれまでずっと農業をしてきたベテラン高齢農家さんを、
ある意味排除するような形になってしまうかもしれません。

耕作放棄地が増えてきているのは、農業をやる人が減ってきているから。
農業をやる人が減ってきているのは、農業はしんどくて儲からないから。
という論理が成り立つとすれば、「では農業をしんどくなくて儲かるようにしよう」
という風に考えるのは当たり前のような気もします。

しかし農業には、「しんどくて儲からなくてもやる意味」があることも確かです。
日本の文化を守るためであったり、自然環境や景観をまもるためであったり。

農業を産業として自由競争で儲かることができる仕組みにしていこう、という考えと、
農業を公共・福祉事業と考えてみんなで支えていきましょう、という考えと、
二者択一ではなく、バランスを取らなくてはならないことはわかるのですが、
私はやはり、少なくとも優先順位は必要な気がするのです。

色々な意味で国にゆとりがあれば「両方同時に進めていきましょう」で
両方ともうまくいく可能性も高いとは思うのですが、
現在の日本は、色々な意味でゆとりがない国だと思うのです。

Aを作るのに100円かかります、Bを作るのにも100円かかります。
両方必要であることはみんなわかっています。
といった状況で、200円持っているのなら両方の材料買って両方作れば良いけど、
100円しか持っていない場合はどうでしょう?

AとBの材料をバランスよく50円ずつ買いました。
結果AもBも作れませんでした、ってのはいかがなものかと思うのです。

これは別にお金だけのことを言いたいわけではなく、リソース全体のことです。

お金も人もエネルギーも、無限にあるならごり押しでも良いのでしょう。
しかしそれらが限られていて、しかもあまり多くないって時は、
何か作戦を考えなくてはならないと思うのです。

で、その作戦で成功していると思われるのは、一極集中・一点突破ではないかと思います。
少ないリソースでも、何かに集中して注ぐことで他より優れることができるのかな、と。

その例としてオランダが面白い気がします。たまたまWebでみつけました。

オランダの農地面積は日本の半分以下なのに、農業輸出がアメリカに次ぐ世界2位だそうです。
「え?面積小さいのにどうやってそんなことができるの?」と思いましたら、輸出額が多いのは
観賞用の花卉やタバコ、チーズで、それらの原材料は輸入しているとのこと。
つまり加工して付加価値つけて売る、ってビジネスモデルなのですね。

さらにオランダは、自分の国で栽培している野菜もそれなりに頑張っているのですが、
それも土地が狭いもんだから作る品目をかなり限って栽培しているそうです。

ものすごい割り切り方だなぁ、と思いました。
国としてこれだけ割り切ってやっていくのは文化だろうなぁ、とも思います。

日本とは文化も状況も何もかも違うわけですし、別にオランダのやり方が良いから、
そのやり方に習うべきだ、と言いたいわけでもないです。

というよりも、上に述べてきたことは「資本主義の中で国際競争に挑むのであれば」
という前提での話であり、別な選択肢として「競争をやめる」という方法もあると思います。
私的には、それができるのが一番だと考えていたりもします。
(けどそれは土台無理な話なので、いったん置いておきまして。)

ちょっと話を広げすぎましたので、突然ですが無理やりまとめます。

あれもこれもそれも、全員の都合の良いように色々とことをバランス良くやれるに
越したことはないのはわかっていますが、それはゆとりがある場合のみ。
つまりこれまでの日本だったらそれも良かったのだと思います。

けどそのゆとりがなくなった今、そのやり方で競争に勝つことは無理でしょう。
そしてその競争をしないというのも無理でしょうし、
「競争に負けても良いや」と考えるのも無理でしょう。

で、勝たなきゃいけないならやっぱり取捨選択して優先順位つけて、
限りあるリソースを一極集中して戦う方法しかないんじゃないかな、と。

けどその取捨選択したり優先順位つけたりするのが、色々な文化・慣例・しがらみなんかで
なかなかできない状況にあるんだろうなぁ、と思うわけです。

国という大きな枠組みでなくても、市町村単位でも、場合によっては家族とか個人単位でも、
同じことが言えるのかもしれませんね。

うーん、文章の出だしと最後がちょっとズレちゃった気もしますが、ご容赦下さい。

2014年7月2日水曜日

「地域力創造と地域おこしのヒント」第5回

総務省が開催している連続講座「地域力創造と地域おこしのヒント」
第5回目の講義を受講してきました。
今回の内容はそれなりに身近に感じることができる内容でしたが、
非常に考えさせられる内容でもありました。

これまではどちらかというと、「地方は人が足りなくなって大変だから、
色々な試みで地方を何とかしていきましょうよ」って内容が多かったので、
私の目線もそっちに向いていたのですが、今回は「お金について」でした。

今回講義してくださった方曰く「消滅可能性自治体とかニュースになりましたが、
人がいなくなって消滅する前にお金なくて大変なことになるよ」って感じのようです。

まず昨日の講義資料内にあった数字で、むむむっと思ったのが、1990年から2013年までで、
国民所得はほとんど横ばいなのに、社会保障給付費は2.3倍に増えています。

社会保障給付費は、国民が払う社会保険料と税金が基本的な財源になるわけですけど、
社会保険料はご存知の通り増加していて1.6倍に増えていますが、税収は0.8倍と減っています。
この両者を足した、つまり社会保障給付費の原資は1.1倍にしか増えてません。

払う分は2.3倍に増えたのに、入ってくる分は1.1倍にしか増えてない。
そりゃ足りなくなっちゃいますよね。税金は他にも色々使われるわけですし。

足りない部分は借りるしかないので、国債を発行するわけですよね。
その結果、国債の発行額は7.2倍に増加しています。

特に地方では、人が働いて稼ぐ金額に対して、高齢者が年金としてもらってる金額の比率が
非常に高くなっていて、本来では賄いきれない比率なのだそうです。
それでも何とかやっていけているのは、今はまだ大都市圏がたくさん稼いでいるから。
大都市がたくさん稼いだ分を、地方に分配することでなんと賄っているのです。

しかし大都市でも高齢化は急激に進んでいて、大都市圏の稼ぎで地方も賄う、
という形はもうすぐ不可能になるよ、ということだそうです。

ではどうするか。

「地方は地方で持続できるように稼ぐしかない」ということになるわけです。
そのために総務省は「地域経済循環創造事業交付金」ってのを用意してるよ、ということでした。


地域に根付いた金融機関は、地域の事業に投資(融資)して、その事業主の相談に乗ったり
アドバイスしたり取引先を紹介したりと支援して、地域の資金を循環させるのが責務のはずが、
現在は預金として預かったお金の多くを国債や地方債といったリスクが低く
安定したものに使っているのだそうです。

講義で「国債は国民が背負っている、一人当たりの返済額がわからない借金だ」
というようなことが言われていました。
金融機関は融資しなどころか、預かったお金を国民の借金を増やすことに使っているわけですね。

これじゃいけないだろう、と。
しかもその借金を利子つけて返済するためには税収を増やさなくてはならない。
だから資金を循環させていっぱい稼がないといけないんだ!と。

そのために国は地方金融機関に、少しでもいけそうな事業は思い切って融資するよう言う。
言うだけじゃなかなか融資しないので、例えば事業に1,000万円かかるとして、
その全額を融資するのは難しいのなら500万円だけでも融資してくれれば、足りない分は国が
「地域経済循環創造事業交付金」ってことでどんと負担しようじゃないか、と。

理解が足りなく間違っているかもしれませんが、そんなようなことだと理解しました。


この「地域経済循環創造事業交付金」は返済不要だそうです。
新しい事業起こして儲かってくれれば、その税収でペイできる、という考えとのこと。
税収だけじゃなく、地元雇用創出効果だとか地元産業直接効果だとかもあるし、
何よりこれによって地方金融機関が融資をすれば資金の循環も始まるわけです。

これってかなり思い切ったことだと感じました。

だからこそ、本当に日本はせっぱつまってきているのだろうとも感じました。

「地域おこし協力隊を3倍にする」ということも然りです。
地方の人口減少もせっぱつまっている。
だからこそ色々な手段で都会の人を地方へ移動させようとしている。

そして人の面だけでなく、お金の面でもこのままだと大都市で地方を支えている
今の構造も崩壊してしまうから、まだ若干でもお金にゆとりがあるうちに、
大盤振る舞いしてでも事業をたくさん創出させて、資金を回そうとしている。
(「ローカル10,000プロジェクト」と銘打って、10,000社の起業を目指すんですって)

なんだか本当にリミットが近づいてきているのだなぁ、と
この連続講座を全部受講し終えて実感しました。

まだまだ消化しきれていない部分が多いのでまとめきれませんが、
とにかくこの連続講座では色々と学び、考えることができ、非常に有意義でした。

ありがとうございました。

2014年6月25日水曜日

「地域力創造と地域おこしのヒント」第4回

昨日は、総務省が開催している連続講座「地域力創造と地域おこしのヒント」
第4回目の講義を受講してきました。

今回はテーマが二つあり、講師の方も2名体制でした。

参加するたびに思うのですが、一見豊かな日本も本当に色々な問題を抱えていて、
国はそれに対応するために色々な施策を用意しているんだなぁ、と。

しかも講義で聞いているのは、総務省の中での話であって他の省でもまた
それはそれで色々な課題に対して施策を用意していてるのだろうから、
これまた大変な数の課題があるってことだなぁ、と。

それらの課題や問題を、本気で解決しようと考え行動している人々には、
ただただ頭の下がる思いです。


講義の話に戻りますと、まず最初は「過疎対策の現状と課題」というテーマでした。

そもそも過疎って言葉はよく聞くし、自分でも使うことがあるけれど、
定義としてはいったいどういうことなんだろう?と思い、ネットで検索してみました。

どうやら過疎は「過密」の反対語として作られた造語だそうです。
東京への人口の一極集中が起こり、人口過密が問題となった。
そして地方では逆に人がいなくなり、町としての機能不全が起こり始めた。
それを「過疎問題」と呼ぶことにしよう、ということだそうです。

で、過疎法という法律があって、それによってどんな状態だったら過疎なのかが
明確に定められているそうです。なるほど。

講義資料によりますと、日本の地方自治体1,718の内797の市町村が「過疎関係市町村」で、
これは実際の過疎とされる市町村に「みなし過疎市町村」と「一部過疎を有する市町村」
を足した数字で、割合で言うと46.4%にもなります。
(この比率は市町村合併によって、比率が一気に高まったという背景もあります。)

過疎に関しては昭和40年代から既に問題視されていて、国が対策をずっと続けています。
しかしこれからの人口減少問題も併せて考えると、なかなか明るい見通しを立てるのは
難しそうだなぁ、というのが正直な感想でした。


次の講義は「地域情報化(電子自治体)」というテーマでした。

この講義はなかなか縁のない分野の話だったので、非常に難しかったです。
ざっくりと言えば、自治体の色々なデータ管理や処理をうまいことやって、
コストを削減してきましょうよ、ってことを国は進めていってる、と。

そのためには色々な課題や障害もあるけども、マイナンバー制も始まるし、
この機会にうまいことやって、今後のランニングコストを一気に削減しましょうよ、と。

そんな話だったのではないかな、と理解しています。

何度も書いてますが、本当に知らなかったことを知れる、良い機会になっています。
ありがとうございます。

2014年6月24日火曜日

生で食べられるトウモロコシ

昨日は館山市のHPの「生産者情報」に載せる記事取材で、
館山市内の農家さんの畑にお邪魔させていただきました。

今はこれから旬を迎えるトウモロコシが畑一面に植えられています。



メインとなるのは「味来」という品種です。
特徴としては甘味が強く、粒の皮が薄い、そして生で食べても美味しい。
名前に「味」とついているだけあって、味自慢のトウモロコシです。

その分、サイズはあまり大きくならなかったり、収量も少なかったりと、
けっして作り手のメリットが大きい品種ではないようなのですが、
味にこだわるこの農家さんは手間暇かけて作ってらっしゃいます。

もぎたてを生でいただきましたが、甘さとみずみずしさはもうフルーツです。
実を食べる野菜を「果菜」というそうなのですが、スイカやメロンが果物の
仲間として違和感がないように、このトウモロコシも果物と言っても違和感ないです。

他の品種として「ピュアホワイト」という真っ白なトウモロコシも栽培されてました。
こちらはさらに手間がかかるので、市場流通も少なく希少価値が高い品種だそうです。
黄色いトウモロコシを植えた場所から少なくとも300mは離して植えないと、
花粉が風で飛ばされて黄色い粒が混ざってしまうこともあるとか。

こちらも生食可能なのでもぎたてをいただきましたが、これもまた美味い。
(個人的にはピュアホワイトの方が美味しく感じました。)
甘さが上白糖を思わせるような甘さで、果汁がブシャーとなるくらいジューシー。
これまでのトウモロコシの概念が変わる1本でした。



トウモロコシは収穫後、時間経過とともに甘さが減っていくのだそうです。
なのでもぎたてが一番甘い、という理屈になります。
そのもぎたてを生で食べられた幸せ、本当にありがたい限りです。
(早朝が一番糖度が高く、その時間にもぎ取るのが最も良いそうです。)

この美味しい生のトウモロコシを食すのに簡単な方法があります。

そう、館山市に泊りがけで旅行に来て、翌朝直売所が開いたらすぐに買いに行くのです。
トウモロコシの旬は夏。海水浴がてら館山に来て旬の味覚を味わってはいかがでしょうか?

2014年6月20日金曜日

食のまちづくりに関しての勉強(3)

地産地消について

食のまちづくり応援隊として期待されている活動に「地産地消の推進活動」があります。
(食のまちづくり応援隊が募集された時の募集要領)

そして館山に来てから、地産地消と同時によく聞く言葉として「地域内流通」があります。

これらについては館山に来てからずっと考え続けているのですが、
一つ思い至ったことがあるので、備忘録的に書いておこうと思います。


私はこの二つの言葉を、ほぼ同義で使うことがちょいちょいあります。
地産地消を進めるということは、地域内流通が活発になるということだし、
地域内での流通が当たり前になるということは、地産地消になってるということだし。
ほぼ同義で使っても差し支えない場合がちょいちょいあるのです。

ですが、以前の日記「食のまちづくりに関しての勉強(1)」にも書きました、
農を産業としてみるか否かということで考えた時、違和感が生まれました。

(今回は水産業をいったんおいておきまして、農業で考えます。)

地産地消の一つの役割として「地域文化の伝承」や「郷土愛を育む」という役割があります。

昔からその土地で採れる農産物を、その土地の料理として食する。
それがその土地の食文化となり、小さな頃から食べ続けることによって、
ふるさとを愛し懐かしむ心も育てられる、というわけですね。

私は個人的に、地産地消の機能としてこれが一番大切だと思っています。
(一般的にはこの機能は副次的な扱いな気がしますが、、)

で、地域内流通ですが、「流通」という言葉にどうしても商売のにおいを感じます。

商売は利益を出してなんぼ、ですからどうすれば売れるかを考える必要があります。
一般的な商売では、「お客様が欲しいものを売る」というのが当たり前です。
「俺様がこれを作ったのだから、愚民どもよこれを買いなさい」という、
強気な商売で成り立っている場合もありますが、ほとんどの場合はそれではダメです。
一般的によく言われる、消費者のニーズを探る、ってやつが必要です。

となると地域内で流通させるには、地域内のニーズに合ったものを流通させる必要がある。
だから農家さんは、地域の人が食べたいと思う農産物を作ってくださいよ、となる。
「じゃ、今まで代々ずーっとAを作ってきたけども、そういうことならBに替えよう」
すると今までAには見向きもしなかった地域の人たちが、こぞってBを買うようになりました。
地域内流通もできて、この農家さんも儲かって、地産地消でめでたしめでたし。

と考えた時に、「ん?ちょっと待てよ」と。

確かにそれも地産地消の一つの形なのでしょうけど、
私が思っている地産地消とはなんだか違うのです。

「その土地で消費させるために、ニーズに合わせてその土地で作る」という風に、
消費が先に来ているので「地消地産」っていう気がするんですよね。


館山市が目指す「地産地消の推進活動」ってのは、私が思う地産地消なのか、
はたまた「地消地産」なのか。

もちろん二者択一ってことではないのでしょうが、私には結構難しい課題です。

2014年6月18日水曜日

「地域力創造と地域おこしのヒント」第3回

昨日は、総務省が開催している連続講座「地域力創造と地域おこしのヒント」
第3回目の講義を受講してきました。

今回のテーマは「地域振興施策について」でした。

地域振興に関する課題に対しての法整備等の話がメインだったため、
私にとっては少々難しい内容でした。

PFI(Private Finance Initiative)について、と言われて「はいはい、あれね。」
となる人は問題ないのでしょうが、私は「宮城大学での講義で聞いた気がするなぁ」
といったぼんやりとした記憶しかない程度なので改めて勉強になりました。

PFIをざっくりと言えば、
『公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う手法』で、
『「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」(PFI法)に基づき実施』される
事業の方法のことだそうです(昨日の配布資料より抜粋)。

H11年度からH24年度までで、PFI事業の事業費は累積4兆2,819億円なのですが、
2020年までに事業規模を10兆円以上へ拡大することを目指しているとのこと。
そのためにコンセッション方式を導入するなど法改正を行い、
民間がPFI事業に取り組みやすくしているのだそうです。


とまぁ、このような難しい話を聞きまして、私自身の解釈を書きますと、

高度経済成長の時に作られたインフラのほとんどが更新時期に来ていて、
なんとかしなきゃいけないけど、もう国や地方公共団体が税金だけで行うのは無理で、
だからPFIを進めてきたけどリーマンショックとかで思ったほど進まなくなった。

そんな中で、2020年に東京オリンピック・パラリンピック開催が決まったし、
これをきっかけに一気にインフラ更新をしてしまおうと思ってるんで、
ややこしい制度や手続きに関してできるだけ簡素にできるように動いてるよ。

ってことなのかな、と解釈しました。

けどなかなかうまく動き出していないようです。
特にコンセッション方式を取り入れた方法は、初めて行う自治体とかの負担が大きく、
その負担やリスクを取りたがるところがなかなかないとのことでした。

あ、コンセッション方式というのは、
『公共施設の所有権を国や地方公共団体が保有したまま、民間事業者に対して、
インフラ等の事業運営権(コンセッション)を長期にわたって付与する方式』
(昨日の配布資料より抜粋)とのことです。

と、今回の講義は一地域おこし協力隊員として実践に役立てるには、
ハードルの高い内容ではありましたが、勉強させていただきました。

ありがとうございました。

2014年6月12日木曜日

食のまちづくりに関しての勉強(2)

先日参加した連続講座「地域力創造と地域おこしのヒント」で、
「2040年には日本の半分位の市町村が消滅する」
というようなワードを耳にしました。

不勉強でなんのことやらさっぱりわからなかったのですが、話を聞いていると
どうやらどこかの団体が何らかの研究の結果発表した内容のようで、
ちょっと調べてみると結構面白かったので、思ったところを書いてみます。

「食のまちづくり」ということからは若干ずれるかもしれませんが、
「地域おこし」ということには関連しているので勉強の意味も込めまして。


日本創成会議が発表した「ストップ少子化・地方元気戦略」によると、
地方の過疎化と東京の人口一極集中が続いていて、これがこのまま続くと、
「2040年には20~39歳の女性が50%以上減少する市町村は896にのぼる」
とのことです。

つまりこのまま何も手を打たなければ26年後には日本の約半数の市町村で、
若い女性が今の半分になっちゃうよ、ってことだそうです。

そうしてこういった市町村を「消滅可能性市町村」というインパクト大な
ネーミングで定義づけしています。
この定義で行くと館山市も消滅可能性市町村です。

このネーミングセンスからもわかるように、この発表内容は
結構過激な内容となっています。
ですが、その分シンプルでわかりやすい内容だと感じました。


この戦略によると、地方の人口減少や高齢化率の上昇、過疎化の原因は、
「若者の都会への流出」である、と言っているわけです。
そしてそれは、今後さらに進んでいくだろう、と言っています。

なるほど確かに言われてみれば正しい気がします。

もし全国どこでも合計特殊出生率が同じだったとしたら、
子供を産むことが可能な年齢層の女性の割合が多い地区と少ない地区では、
その後の人口の増減に大きな差が生じるので、出生率云々の前に
子供を産める年齢の女性の数が重要になってくることは間違いありませんよね。

さらにこれは想像ですが、やっぱり出会いを求める男女であれば、
自分が恋愛対象とする年齢層の人間がいない地区よりもいる地区に行きたい、
と思うのは当然なことで、若者の都会への流出はさらに進む気もします。

もちろんこの考えとは別に、都会への若者流出が将来的には収束するだろう、
という見方もあるようです。国立社会保障・人口問題研究所はそのような考えで、
「日本の地域別将来推計人口」を発表しているそうです。

ま、この推計人口で計算しても、結構な数の市町村が「消滅可能性市町村」
ということになるのだそうですが。


仮定や前提を少し変えるだけで、将来の数値的な予測は大きく変わるのでしょうが、
私自身は楽観的な考え方ではなく、むしろ悲観的見方をしちゃっています。

日本創成会議が発表した内容はかなり過激ではありますが、
「まだ望みはある!楽観も悲観もせず、現実を見て速やかに手を打ちましょう!」
と唱えているのだと思います。

私自身は日本創成会議が提案する解決策ですら、実現可能性が低く
よって「もう駄目なんじゃないか、、、」と悲観論に走ってしまいがちですが、
悲観論は益にならないという言葉には「確かにそうだ」と納得したので、
悲観論であきらめるのではなく、考え続ける努力をしてみようと思います。

2014年6月11日水曜日

「地域力創造と地域おこしのヒント」第2回

昨日は、総務省が開催している連続講座「地域力創造と地域おこしのヒント」
第2回目の講義を受講してきました。

今回のテーマは「地域自立応援施策の推進について」でした。

日本の人口減少やさらに進む高齢化は避けられない現実です。
その中で大都市ではない「地方」の過疎化や限界集落問題は、
今後ますます深刻化していくことは目に見えています。

さてそれにどう対応していくか、というのが今回の講義の内容でした。

講義の内容を全部まとめることは、私の能力ではむずかしいので、
私が気になった部分のみピックアップして書きたいと思います。


こういった話は、過疎化が進んだ集落や限界集落をいかにして活性化するか、
という議論ばかりかと思っていたのですが、実は以前(昭和40年代)から、
集落の移転や再編といった議論や取り組みがなされていたんだそうです。

「限界集落を活性化させるっていっても、人口減少がどんどん進めば
いつかはなくなっちゃうんだから、そんなにのお金かけずに移転・再編・統合
の方にお金かけた方がいいんじゃないの?」という考え方だってあるだろうな、
とは思っていましたし、私自身もそれも一つの選択肢だと思っていたのですが、
実際に取り組まれて、そして現時点では「それよりも活性化の方が良い」と
ある程度結論付けられているということは初めて知りました。

やっぱり「ふるさと」に対する思いは誰だって強いわけで、
自分のふるさとが無くなるのは嫌なわけで、住み続けたい人も多いわけで、
集落の場所だけ移動して「はい、おしまい」とはいかないわけで、
集落の移転・再編というのは実現可能性が低いようですね。

そこで今国が考えているのが、集落の活性化とネットワーク化です。

まずはできる限り集落を元気にしていきましょう、そして近隣集落同士で
ネットワークをつないで一つの集落じゃできないことを補いましょう。
それでも難しい部分は近くのそこそこの大きさの市と連携しましょう。
さらにそれでも難し部分は近くの政令指定都市とかデカい市と連携しましょう。

簡単に言いすぎですが、こんなようなことを施策として打ち出しています。

そしてその中の集落活性化の施策の一つが、
「地域おこし協力隊」ということでもあるのですね。

今回も勉強になりました。ありがとうございました。

2014年6月10日火曜日

房州びわ

市役所の生産者さんへの取材に同行させていただき、
びわ農家さんのお話を聞かせていただきました。

私は地元が宮城県なのでほとんどびわへの馴染みがなく、
先日初めて生のびわを食べた、というびわ初心者なので、
今日のお話は非常に勉強になりました。


(露地栽培のびわの木)

















びわは非常にデリケートな果物だそうです。

まず熟すとすぐに実が落ちてしまう。
熟してなくても雨や風の影響で実が落ちてしまう。
落ちなくても雨が当たると皮が割れてしまうこともある。

バナナとかトマトのように収穫後に追熟すのであれば、
多少早めに収穫してタイミングを見て出荷するということも
できるのでしょうが、びわはもぎ取った後はほとんど熟さないので、
熟して落ちちゃう直前にもぎ取って出荷することになる。

そうなるとこれまた天候に大きく左右されるわけです。
あと2,3日後が一番収穫に良いタイミングだ、と思ってても
翌日に雨が降って実が落ちてしまう、ってことがあるのです。

しかもハウス栽培ではない、露地栽培と言われる山で育てる木は、
収穫時期が梅雨と重なるので、そのリスクはさらに増すわけです。


びわのシーズンは今がピーク。
あと1,2週間もすればもうシーズン終了。

大切な人お世話になった人に、旬の果物の贈り物はいかがでしょうか?



2014年6月6日金曜日

食のまちづくりに関しての勉強(1)

まだ活動用車両がリース会社から届いていないので、
なかなか地域を見て回ることができていない状況なのですが、
だからこそ今は、色々な知識を吸収する時期と考え、
様々な資料に目を通すように心がけています。

自分の不勉強をさらすようでお恥ずかしいかぎりですし、
途中経過ではありますが、資料を読んで勉強したことを
まとめる意味も込めて、ブログに書いてみたいと思います。

間違い等ありましたら、ご指摘いただければ幸いです。


農林水産業・地域の活力創造プラン」というものが、
平成25年12月に出されました。

これは現在の農林水産業を取り巻く現状があまりにも厳しい
(基幹的農業従事者の平均年齢が66歳であるとか、耕作放棄地が
滋賀県の面積と同じくらいにまで増加しているとか)ので、
政府一体となって考えよう、と関係府省が連携して本部を設け、
検討した結果とりまとめられたプランだそうです。

このプランを簡潔にまとめることなど、私の能力では不可能なので、
興味のある方は各自で目を通していただくとして、
私がざっと目を通した中で思うところをピックアップします。

(↓プラン概要はこんな感じです。)















このプランの中で「おおっ!」と思ったのは、
「農業・農村全体の所得を10年で倍増させる」という部分。
これは凄いですよね。10年で所得倍増ですよ、倍増。

やっぱり「農業はしんどいのに儲からない」ってイメージがあって、
それではなり手がいないから、まずは「農業だってちゃんと儲かるよ」
と世の中に示していくことが重要、ってことだと思います。

この所得倍増に向けて、色々なことを政府は考えているようです。

その中でも日本の農業の中心は米なので、
稲作について大きな変革をもたらすであろう政策が打ち出されています。

稲作というのは、スケールメリットが大きいそうなのです。
小さな田んぼでお米を作って利益を出すのは非常に難しく、
一定以上の大きさの田んぼで稲作しないと利益はでない。

だから政府は「バリバリ稲作やっていくぞ」という人(法人含む)
のところに農地を集めて、スケールメリットを最大にいかそう!
そしてさらに色々な方法で生産コストも4割減らしちゃおう!
ってなことを言っています。

さらにさらに、主食用の米はもう余っちゃってる状況だから、
飼料用とか米粉用の米、もしくは麦とか大豆を作って、
田んぼをフル活用しちゃおうよ!ってなことも言ってます。

なるほどなるほど。

「儲からないし年齢的にもしんどくなってきてもう作れないなぁ」
という農家さんの田んぼを、「儲かるならバリバリやりますよ」
という人のところに集約して、さらに農地を有効活用して儲けを出す。
実に合理的な制度ですね。

でもこの考え方って、もっと前から言われていたことだと思うのです。
それがなかなか実現できなかった、というのが実際ではないでしょうか。
だけどもうギリギリ、そろそろ切り替えていかないと手遅れになるよ、
ということで政府も少し大胆に打ち出したのだと思います。

このことを考えるとき、農業に対して2つの視点があり、
そのどちらの視点で見るかをしっかり認識しないとダメなようです。

農業を、

 ・儲けを出す「産業」として見るか
 ・天然のダム、生物多様性、景観等々大切な機能を維持するための、「公共事業」として見るか

という視点です。

政府はそれぞれに対応する政策を「産業政策」と「地域政策」
とわけ、それを車の両輪として取り組んでいくとプランに書いていますが、
私の感想としては「農業を産業として見る視点を強めていこうとしている」
ように見えます。

「儲からないと誰もやらなくなるから、儲かるようにしていきましょう」と。

けど、こう考える人もいます。
「利益ばかりを最優先して農業をしてしまえば、これまで日本が維持してきた
大切な色々なものがなくなってしまうから、農業の利益偏重は良くない」と。

考えれば考えるほど、難しい問題です。

本当に中途半端な感じになってしまいましたが、
まだまだ勉強不足で、自分なりの結論なんて見出していませんで、
今日はここまでということにしておきます。


今後も勉強したことを整理したり定着させたりする意味で、
ブログに書いていければと思います。

2014年6月4日水曜日

「地域力創造と地域おこしのヒント」第1回

昨日は、総務省が開催している連続講座「地域力創造と地域おこしのヒント」を受講してきました。
これは総務省が地域おこしに必要な人材を育成するために行っている様々な取り組みの一環で、
全5回にわたって行われる講義の第1回目でした。

地域力を創造するためには何が必要か、と有識者が集まって話し合った結果、
「やっぱり人、人材が大事だね。」となったそうで、総務省では人材に関する施策を

  1. 個々の人材力の育成・強化
  2. 人材力の相互交流とネットワークの強化
  3. 外部人材活用のための支援

と大きく3つに分けて色々と行っているとのこと。
今回の講義では、それらの施策の概略を事例を交えながらご説明いただきました。

講義の感想ですが、
「国は地域を活性化させようと、人材育成のための色々な支援策を用意しているんだなぁ」と
「そして日本各地では、そういった支援策を利用して色々な取り組みが行われているんだなぁ」と
馬鹿っぽい感想で恐縮ですが、とても勉強になり、感心いたしました。

この講義はこれから毎週火曜日、7月1日まで続きます。
今回は初回でしたので概論的な講義でしたが、今後はさらに具体的な話が聞けるのだと思います。

こういった講義は、新たな知識や事例を知る良い機会となるだけでなく、
自分の頭を刺激して新たな考え方を生み出す機会となることがありがたいですね。


余談ですが、この講義は東京の六本木にある政策研究大学院大学にて行われます。
館山市役所の方も一緒に参加し、その方に車を運転していただいて会場へ向かったのですが、
大都会の道はまるで迷路のようで、多くの困難をともなうものでした。
この場をお借りして、グッドドライビングを見せてくれた市区所のSさんに御礼申し上げます。

2014年5月30日金曜日

異国の学生さんが田植え体験

今日は海外の学生さんたちの田植え体験をお手伝いさせていただきました。
JWNWSYS2.0というプログラムで来日した方々です。

主に東南アジアの学生さんが多く、中にはタイの学生さんもいらっしゃって、
久しぶりにタイ語で会話しました。

受け入れた農家さんの予想をはるかに超えるほどのスピードで田植えを終え、
農家さんの軒先でお弁当を食べて、とても楽しんでくれていた様子でした。

この学生さんたちが日本や館山に対して良い印象を持つことが、
将来的に日本と各国の友好につながっていくのだと思います。

外国の方にも、日本人にも「また来たいな」と思ってもらえる、
館山になっていけたら良いな、と感じました。